全教員に特別支援教育の専門性必要 文科省有識者会議

これからの特別支援教育の在り方を検討している文科省の有識者会議は2月25日、第6回会合を開き、特別支援教育を担う教員の専門性に関する論点案について議論した。特別支援教育のニーズは、特別支援学校だけでなく、小中学校でも重要度を増していることから、論点案では、あらゆる教員に特別支援教育に関する専門性が求められるとし、採用や研修、人事異動での配慮や改善を求めた。

特別支援教育に携わる教員の専門性を議論する有識者会議

特別支援教育を担う教員の専門性を巡っては、特別支援学校の教員における特別支援学校教諭免許状の保有率は2018年度時点で8割に上っているが、小中学校の特別支援学級では3割にとどまっている。

また同省では、発達障害などの特別な支援を必要とする子供が通常学級に在籍していることから、19年度の入学生から、教員養成課程で発達障害や軽度知的障害などの特別支援教育の基礎的内容を1単位以上修得することを義務付けるなどの取り組みを始めている。

これらを踏まえつつ、論点案では、特別支援学級や通級指導を担当する教員にとって、特別支援学校教諭免許状がその専門性の担保になっていないと指摘。今後、特別支援学校が地域の特別支援教育のセンター的な機能を担っていくためにも、特別支援学校の教員には、特別支援学校に通う児童生徒だけでなく、小中学校などに通う障害のある児童生徒に関する専門性も必要だとした。

さらに、経験豊富な教員が異動してしまうことで、学校に特別支援教育の専門性が蓄積されないなどの課題があることから、人事異動、教員配置における配慮や採用、研修の運用改善を求めた。

委員からは「専門性の中には、保護者支援の視点も必要だ。教員によるペアレントトレーニングのプログラムを希望する保護者が受講できるようにしたことで、保護者のストレスや児童の問題行動などが減ったことが確認されている。教員の子供との接し方でも、ペアレントトレーニングの知識を生かすことが期待される」「小中高と特別支援学校の人事交流はさまざまな自治体で実施されている。特別支援学校の教員にとっても、小中高で教えることは、教科指導や集団づくりなど、教員にとって必須の力を鍛える機会にもなる」などの意見が出た。

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