「がん教育」を約6割の学校で実施 文科省調査

全国の6割以上の小中高が、がんとがん患者への理解を深めるための「がん教育」を実施していることが、文科省が2月26日までに公表した2018年度「がん教育実施状況調査」の結果で分かった。

18年度にがん教育を「実施した」と回答した学校は61.9%(2万3023校)で、学校段階別では▽小学校56.3%(1万1502校)▽中学校71.4%(7919校)▽高等学校63.7%(3602校)。

実施学年(複数回答可)は▽小学校の95.9%(1万1032校)が6年▽中学校の93.0%(7367校)が3年▽高校の90.2%(3249校)が1年――だった。

がん教育を実施した教科、領域(複数回答可)の最多は、体育・保健体育の授業(92.9%)。▽特別活動の授業 8.0%▽総合的な学習の時間 2.6%▽道徳の授業 1.9%▽教育課程外   1.5%――で実施した学校もあった。

また、外部講師を活用してがん教育を実施した学校は全体の8.1%で、その職種(複数回答可)は、▽がん経験者(21.6%)▽薬剤師(16.8%)▽がん専門医(16.1%)▽その他の医師(14.2%)▽保健師(12.0%)。

外部講師を活用して効果的だと思ったこと(複数回答可)は、最も多かったのが「健康と命の大切さについて主体的に考えることができた」(73.2%)で、▽がんに対する知識・理解が深まった 69.7%▽児童生徒にがん教育を強く印象付けられた 39.9%――と続いた。

一方で、外部講師を活用した際に課題と思ったことは、「講師との打ち合わせを事前に行わないと、講師の話す内容と学校の要望にギャップが生じる」(38.8%)、さらに、「年間指導計画に位置付けないと、指導時間の確保が難しい」(33.3%)、「講師リストなどがなく、講師を探すのが難しい」(22.9%)などが挙がった。

また、がん教育を実施しなかった理由(複数回答)としては、「指導時間が確保できなかった」(58.0%)が最多で、以下、▽がん教育以外の健康教育を優先したため 57.9%▽指導者がいなかった 17.9%――などだった。

外部講師を活用すること以外での工夫では、▽喫煙防止教室や食育指導などと関連して実施▽保護者も参加できる日程を設定▽学校の全教職員での研修などによる共通理解を図った上での実施――などの事例があった。

同調査は2016年12月に改正された「がん対策基本法」で、がん教育に関する条文が新たに盛り込まれたことから、後の施策の参考とすることを目的に行われた。調査対象校は、国公私立の小学校1万9892校、中学校1万270校、義務教育学校82校、高校4897校、中等教育学校53校、特別支援学校1141校で、回答総数は3万7169校だった。


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