新型肺炎であしなが募金中止 約40億円の資金が不足

病気や災害などで親を失った子供の進学を支援する「あしなが学生募金」を運営する、あしなが育英会は2月26日、都内で記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)拡大の恐れを踏まえ、4月に全国で開催予定だった街頭での募金活動を中止すると発表した。50年の歴史で初めてという。

会見する玉井会長と奨学生ら

会見には同会の玉井義臣会長と、学生募金事務局の奨学生らが出席。今回の中止を受け約40億円の資金が不足するとし、「危機的状況」と説明した。

あしなが学生募金は、1970年から毎年春と秋の各4日間で開催。奨学生やボランティアの高校生らが全国の街頭に立ち、募金や遺児への理解を呼び掛けてきた。今回で第100回の節目を迎えることから、全国200カ所だった募金場所を約300カ所に、1万人の学生スタッフを2万人に増やすなど規模拡大に向けて準備を進めていた。

事務局長を務める、大手前大学3年の岡本蓮さんは「社会に一番インパクトを与えられる、このタイミングで中止になったのはくやしい」と胸の内を吐露した。

さらに資金の不足に加え、未来の奨学生への影響も懸念。街頭で募金活動を目にして「あしなが学生募金」を知り、進学を諦めずにすんだ遺児も多いという。

自身も小学生の頃に父親を亡くした岡本さんは、「進学したくとも言い出せず、諦めざるを得ない遺児はたくさんいるが、それはおかしい。この奨学金を1人でも多くに伝えなければいけない」と強調した。

今後は、SNSなど募金活動の代替となる新たな手段を、学生たちを中心に考え、遺児の実態や寄付の必要性を呼び掛けていくという。

次のニュースを読む >

関連