政府の要請から全国各地で学校の臨時休校が始まったのを受け、萩生田光一文科相は3月3日の閣議後記者会見で、教育委員会などに向けて、学校の空き教室などを積極的に学童保育に活用するよう通知したと発表した。学童保育の人員確保のため、教員が学童保育などの業務を支援することも可能とした。また、文科省はホームページにポータルサイトを立ち上げ、児童生徒の家庭学習の支援を開始した。
各地での休校が始まったことを受け、萩生田文科相は「期間が短い中での準備で混乱があることは否めないが、期間や形態を含めて、各自治体でさまざまな工夫をして対応していただきたい。文科省としては、先進的な好事例などを横展開できるように、さまざまな機会を通じて各自治体に発信して、サポート体制を強化していきたい」と述べた。
厚労省の要請を受け、2日付で出された文科省の通知では、仕事を休めない保護者が小学校低学年の児童を学童保育に預けるニーズが高まっていることや、児童が密集しないように一定の広いスペースを確保する必要があることから、学童保育に学校の空き教室や図書館、体育館、校庭なども積極的に活用していくよう求めた。同様に、障害児を預かる放課後等デイサービスについても、学校施設を活用できるとした。
また、学童保育の業務に学校の教職員が携わることについては、教育活動の一環として、教育委員会の職務命令によって学習指導や生徒指導に関する業務に関わることは可能とした一方で、学級担任は児童生徒の連絡や家庭訪問への対応があることから、学級担任以外の教職員が支援に当たることが考えられるとした。
開設されたポータルサイトでは、校種ごとに各教科の家庭学習として、教科書や家庭の中にあるものなどを使ってできる学習の工夫例を紹介。教材として活用できる公的機関のウェブサイトをまとめたリンク集も設けた。コンテンツは今後、充実を図っていく方針。
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