「1人1社制」見直し受け 高校生の就職支援で緊急シンポ

高校生らのキャリア形成を支援する「スクール・トゥ・ワーク」は3月5日、「1人1社制」を見直す方針を示した、文科・厚労両省の高等学校就職問題検討会議ワーキングチームの報告書案を受け、都内で緊急シンポジウムを開いた。高校生の就職指導に関わる教員や民間企業の経営者が登壇し、教員の負担軽減も含めた高校生の就職支援について意見交換した。

これからの高校生の就職課題を話し合ったシンポジウム

高校生の就職問題を巡っては、今年2月に高等学校就職問題検討会議が、生徒が学校推薦を受け、企業を1社しか応募できない代わりに、ほぼ確実に内定を得られるようにしているという、多くの都道府県で行われている慣行(1人1社制)を見直し、複数企業への応募を可能にすべきだとする同会議ワーキングチームの報告書を取りまとめた。

同報告書ではほかにも、民間の就職紹介事業者を利用できるようにすることや、高校段階でのインターンシップの推進など、キャリア教育の充実をうたった。

この報告書案に対し、スクール・トゥ・ワークの古屋星斗代表理事は「確実に企業と生徒のマッチングを行うために制限されてきた、高校生が就職活動を行う権利の確保を目指すもので、2020年は高校生の『会社選び元年』になる。大学生と同じように高校生が民間の就職紹介事業者を利用し、複数の会社を選べるようになれば、高校生が就職活動のやり方を学ぶ機会を確保していく必要がある」と指摘した。

公立高校で実際に就職指導に当たっている新井晋太郎教諭は「現状の就職指導では、履歴書の書き方や面接など、教員の負担が大きい。大学生の就職活動は基本的に本人が自分でやるのに、高校生はなぜここまで教員がしないといけないのかと思う」と教員の負担の問題を懸念。「このまま就職指導で教員と生徒の関係が変わらないまま、複数の企業を希望できるようになれば、さらに教員の負担は増える。高校生が自分で就職活動できるように、1年生からキャリア教育を始める必要がある。民間の支援が得られる体制も重要だ」と述べた。

対して、高校生の就職支援サイトを運営する佐々木満秀・ジンジブ代表取締役は「教員やハローワークにとって、高校生の就職支援は重要だが大きな負担になっている。民間の力で負担を減らしていきたい」と応じた。

緊急シンポジウムは新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の国内感染拡大を踏まえ、会場は関係者とメディアのみとし、SNS上で配信された。

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