【一斉休校の現場から】日割り料金化で感染防止 学童保育

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染拡大防止に伴う「一斉休校」で、仕事を休めない保護者が子供を預ける「学童保育」に注目が集まっている。学童保育では、一斉休校によって開所時間を延ばしたり、手洗いをはじめとする感染防止策を徹底したりするなど、対応に追われている。3月中の利用料金を日割り計算に切り替えることで、利用者数を抑制し、感染防止につなげている学童保育を取材した。

「一斉休校」による対応策を説明する「merry attic」の上田CEO

現在、埼玉県戸田市と沖縄県那覇市で3カ所の学童保育を運営している「merry attic」は、合わせて100人程度の小学生が利用している。「merry attic」では、2月27日の政府の「一斉休校」の要請を報道で知った直後、すぐに各施設の責任者が対応策を協議。子供たちが集まりだす28日午後3時には、いち早く開所の方針を保護者に伝えることができた。

学童保育は、小学校よりも子供たちが密集して過ごすため、スタッフも含め感染リスクをどうやって下げるかが課題だった。そこで「merry attic」では、通常は月額で支払うことになっている利用料を、3月に限って日割り計算にした。そのため、仕事を休める保護者には利用を控えてもらい、仕事をどうしても休めない保護者が優先して利用できるようになった。

日割り計算への切り替えにより、利用する子供の人数が通常よりも抑えられ、1人当たりのスペースも広めに確保することができる。また、保護者にとっては学童保育を利用した日数に応じた利用料となるので、不公平感もなく、金銭的な負担も減る。実際、戸田市の施設では、3月に入ってからの利用者数は通常の半数程度だという。

「merry attic」代表理事の上田馨一さんは「日割り計算にしたことで、保護者からの利用料に関する問い合わせ対応など、スタッフの負担も減らすことができた。こんなときだからこそ、保護者とスタッフが一致団結していかないといけない。保護者も協力的で、スタッフのモチベーション向上にもつながっている」と話す。

しかし、この体制は運営側にとっては減収に直結する。上田さんは「日割り計算でいつまで持ちこたえられるか。来年度からの利用希望者向けの説明会も開けない状況だ。もしも一斉休校が中長期化すると厳しい。小規模な学童保育では、資金面で苦労しているところも多いのではないか」と懸念する。「merry attic」では、クラウドファンディングによる資金調達も視野に入れているという。

一方で上田さんは、一斉休校によって学童保育への注目が集まっていることを好意的に捉えている。「これを機に、学童保育がどんな場所なのか関心を持ってほしい。『大変だ』と言い続けるだけでは解決しない。みんなで知恵を出し合って、困難を乗り越える風を起こしていきたい」と強調する。

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