「参加認めて」保護者が嘆願 卒業式に揺れる学校

全国の小中高校で一斉休校が続く中、卒業式の時期を迎えた各自治体は対応に追われている。実施を決めた多くは、感染を防ぐために式次第を簡素化し、卒業生と教職員以外の出席を認めない方針を各校に通知していたが、保護者からの要望が相次ぎ、通知を撤回する自治体も出てきた。一方、動画の生配信を通じて卒業生の姿を届けるなど、混乱のさなかで知恵を絞る学校の取り組みもみられた。

全国に先駆け一斉休校を決定した北海道教委は3月4日、卒業生と教職員のみ出席を認める形で卒業式を実施するよう通知を出した。開催に当たり▽生徒の椅子の間隔を空けスペースを確保▽式辞や送辞は文書で配布、卒業証書は代表の児童生徒に授与して式次第の時間を短縮――などの留意点を示し、万全の態勢をとった上で実施するよう求めた。

愛知県豊明市教委も同様に式を簡素化。出席者は必要最小限とし、小中学校共に保護者の出席は認めない方針を決めた。その後、中学校の保護者から「出席を認めてほしい」との要望が相次ぎ、問い合わせ件数は60件に上った。同市教委は近隣の名古屋市などが保護者出席を認めている点も鑑み、1家族1人まで参加できる方針に改めた。

教委担当者は「何としても感染は防ぎたいが、保護者の心情も理解できる。市長とも相談の上、保護者1人に限定すれば密集状態にはならない空間が確保できると判断した。3日に実施した中学校の卒業式で確認できたので、19日に予定している小学校の卒業式もマスク着用、校歌斉唱の取りやめなどを呼び掛けながら、同様の方針で実施する」とした。

一方、会場に足を運べない保護者に別のアプローチを検討する学校もある。神奈川県立上矢部高校(安藤美子校長、生徒920人)では、YouTubeを通じて式の様子を生配信した。同校では卒業生と教職員のみが参加する形で実施する予定だったが、教職員の間で「何らかの形で子供たちの姿を届けられたら」という声が上がり、3月3日の卒業式を目前に控えた2月28日に配信を決定。個人情報保護の観点から保護者のみの限定公開とし、生徒の氏名を呼ぶ際は音声を切って配信した。視聴用のアドレスは当日の朝、同校で運用しているメール配信システムで通知した。

同校の甲斐秀幸教頭は「(動画配信は)初めての試み。配信途中で回線が途切れるなどトラブルもあったが、従来とは異なる形の卒業式に教員らも新しい可能性を見いだしていたようだった」と話した。

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