外国人生徒らの支援充実 有識者会議が報告書案

日本語指導を必要とする児童生徒の学校教育について検討する、文科省の「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」は3月16日、同省で最終回となる第9回会合を開催し、報告書案を取りまとめた。日本語教師の積極的な活用や、進学とキャリア支援の充実などが提言された。

報告書案について議論する有識者会議

報告書では、日本語指導が必要な児童生徒が昨年時点で5万人以上に上ったことや、母語の多様化が進んでいることを指摘し、配慮の必要性を改めて強調。

外国人児童生徒も共生社会の一員であり、今後の日本を形成する存在であることを前提に、制度設計の構築を目指すとした。また就学前や高校、卒業後など長期的な視野を持ち、キャリア教育や相談支援など包括的に支援するよう提言した。

それを踏まえ、具体的な施策を①指導体制の確保・充実②日本語指導担当教師などの指導力の向上、支援環境の改善③就学状況の把握、就学の促進④中高生の進学・キャリア支援の充実⑤異文化理解、母語・母文化支援、幼児に対する支援――に整理。それぞれの分野の取り組みについて、速やかに着手するものと、予算などを検討しながら段階的に進めるものの2つに分け、示した。

「指導体制の確保・充実」では、▽2026年度までに日本語指導が必要な児童生徒18人に対し、教師1人を標準とした配置を実現▽散在地域の指導体制の構築については実践研究をして、その成果を全国に普及させる――などを速やかに実施する。

段階的な取り組みでは▽特別免許状などを活用して、日本語教師が学校での日本語指導にあたる▽文科省が取り組む「GIGAスクール構想」と絡めて、ICT教材の活用や遠隔授業の実施を進める――などを挙げた。

「中高生の進学・キャリア支援の充実」に関しては、▽公立高校入試の外国人生徒を対象にした先進的な取り組みについて、地方公共団体に情報を共有し、各地域の実情に応じて外国人特別定員枠の設定を促す▽小中高が連携し、外国人生徒のための「個別の指導計画」を踏まえて必要な情報を整理し、情報共有を図る――などを速やかに実施する。

段階的な取り組みでは、高校の「特別の教育課程」を適用するなど、日本語指導の指導方法や制度的な在り方を検討するとした。

委員からは、児童生徒の語学力だけでなく、進学やキャリアなども包括的に支援するために、関わる全ての教職員が一丸となって対応する体制の重要性について指摘があった。

また、委員の1人は「今はグローバリゼーションの大きな転換期にある。いろいろな課題や障害を前にそれを指摘するだけでなく、アイデアを出してクリアしていくべきだ。今後も外国人の児童生徒の教育について、議論が重ねられていくことを期待したい」と話した。

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