【一斉休校の現場から】オンライン学習サービスで課題を配信

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)による突然の一斉休校で、休校中の課題の用意に頭を悩ませている学校は多い。そんな中、民間のオンライン学習サービスを、生徒の家庭学習に活用している学校がある。生徒にオンライン学習サービスで課題を出して、学年末の総復習や苦手の克服に取り組ませている神奈川県立茅ケ崎西浜高校の活用法を取材した。


学習コンテンツの活用が学校の特色に
オンライン学習サービスによる指導について話す鎌田教諭(左)、平山教諭(中央)、藤山教諭

同校では、2016年度にリクルートが運営するオンライン学習サービス「スタディサプリ」を導入し、現在は全生徒が日常的に使って家庭学習を行っている。地域の中堅校である同校は、生徒間の学力差が大きい。大学受験を希望する生徒をサポートしつつ、勉強の苦手な生徒に基礎学力を身に付けさせるためには、習熟度別に動画コンテンツが充実しているオンライン学習サービスが合っていた。

利用料は学年費をやりくりして捻出した。学習塾に行かせるよりも安いため、家庭の経済的な負担も小さくて済む。同校の鎌田高徳教諭は「今では、オンライン学習サービスで勉強したいから本校を志望する受験生も増えているくらい、学校の特色になっている」と胸を張る。

スタディサプリを導入している学校の中で、同校は18~19年度のログイン率(利用頻度)が全国1位になった。例えば英語での活用は、翌週の授業で習う内容に合わせて動画を指定し、生徒に課題を与えている。生徒は課題を問題なく解ければ、動画を見る必要はないが、翌週行われる小テストに合格しなければ、動画で確認をしなければならないルールになっている。

また、長期休みの前には、付属する到達度テストを実施。その結果に応じて、同サービスのシステムが個々の生徒で理解が不十分な内容を解説した動画を自動的にリストアップする。教員はそのリストを基に、生徒に長期休みに見るべき動画や課題を指定して配信するようにしている。

同校で英語を担当する藤山直樹教諭は「学校があるときは定期試験対策が勉強の中心になるが、授業のない長期休みは弱点や苦手の克服に充てるようにしている。教員が動画を指定するとプッシュ通知が届くので、それがやる気になるという生徒もいる」と話す。

休校中の課題もネット予備校で対応

同校は、新型肺炎による突然の休校をどう乗り切ったのか。1年生の学年主任である平山康弘教諭は、2月27日の政府による休校要請のニュースを見て、休校中の生徒への課題をどうするかが頭をよぎったという。

平山教諭は「学年末試験ができなかった影響は大きい。1年間の総復習をさせないと、生徒の学力は落ちる。慌てて対応策を考えた」と振り返る。もともと春休みに出す予定だったスタディサプリの動画や学校独自の課題の量を増やすなどし、何とか3月2日の最後の登校日に間に合わせることができた。

最初から十分な量の課題を出せたので、毎週課題を用意する必要はない。もし休校が長期化したとしても、必要に応じて動画を追加配信することは簡単だ。

さらに、個々の生徒の動画視聴時間を教員が把握できるため、取り組み状況も一目瞭然。教員はそれを確認しながらメッセージ機能を使ってこまめに励ましのコメントを送ることで、生徒のモチベーション向上につなげている。

しかし課題もある。

鎌田教諭は「オンライン学習サービスは本来、自主的に勉強するためのツールだが、教員が見るべき動画や課題を与えるスタイルでは、生徒は受け身のままだ。自分で計画を立てて勉強していけるようにシフトチェンジすることが難しい」と指摘する。

また、平山教諭は「もっと学校の授業と連携させていくことを考えたい」と語った。

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