来週早々に学校再開の考え方示す 文科相、知事会に表明

全国の小中高と特別支援学校の一斉休校が続く中、全国知事会文教環境常任委員会委員長を務める阿部守一・長野県知事は3月18日、文科省で萩生田光一文科相と会談し、「学校再開についての考え方を速やかに具体的に示す」よう求めた全国知事会の緊急要望を手渡した。

緊急要望を手渡す阿部守一・長野県知事(左)と萩生田光一文科相

阿部知事によると、萩生田文科相は「(19日に開かれる)専門家会議の考え方などを踏まえ、文科省として、来週のできるだけ早い時期に考え方を示していきたい」と述べた。これに対し、阿部知事は、知事会の要望として、学校再開の考え方を示す際には「科学的な根拠も含めて示してほしい」と伝えた、という。

緊急要望は、専門家会議によって集団感染が生じやすい場合の知見が示され、地域の医療体制も順次構築されている状況を説明し、「学校設置者は、国の動向や各地域の感染状況を十分に考慮した上で、学校再開に向けた万全の体制を確保することが求められている」との認識を表明。春休み終了後の新年度に向け、学校設置者である自治体が学校再開に踏み切るか、難しい判断を迫られている現状を訴えた。

次に、具体的な要望として▽国の責任において、学校現場に混乱をきたすことがないよう、学校再開についての考え方を速やかに具体的に示すこと。その際、科学的知見などを踏まえて考え方の根拠を明確にすること▽各地域において統一的な考え方で対策を講じるため、臨時休校措置の検討に必要な科学的な知見や国としての考え方を、迅速かつ適切に都道府県や市町村と共有すること――の2点を求めた。

阿部知事は会談終了後、記者団の取材に応じ、要望の内容について、「非常に感染者数の多い自治体と、全く出ていない自治体では、(学校の再開を巡る)判断が違ってくる可能性がある。これは感染症との戦いなので、(学校の再開は)科学的な知見を踏まえて適切に判断していく必要がある。そういう意味で、国として一定の考え方は示してほしい」と説明。

会談終了後、取材に応じる阿部守一・長野県知事

さらに、「都道府県も市町村もそれぞれ学校設置者として、責任ある判断をしていかなければならない。どのような状況にあっても、学校設置者としての責任を果たしていくことが重要だ」とした上で、「全国的に感染が広がっている中で、自治体としても専門家の意見を聞いているが、国の専門家会議の方がいろいろな情報や知見を持っている。自治体が(学校の再開を)判断していくために、基本的な情報を共有してほしい、というのが緊急要望の趣旨だ」と述べた。

文科省によると、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染者が少ない自治体を中心に、3月16日から全国の公立小中高校と特別支援学校など1355校が学校再開に踏み切った。一斉休校に加わらなかった347校と合わせると、16日現在で休校していない学校は全体の5%となっている。

萩生田文科相は3月17日、学校の再開について「自治体の判断を尊重する」と繰り返し表明する一方、学校がクラスター(集団感染の現場)となる事態を避けるため、専門家会議が示したクラスター化しやすい3条件(▽換気の悪い密閉空間▽人が密集した空間▽近距離での会話や発声)を踏まえ、近く学校再開の目安を示す考えを示している。

次のニュースを読む >

関連