英語4技能と記述式「共通テストには不要」 私大協表明

今後の大学入試について議論する文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」の第4回会合が3月19日開かれ、日本私立大学協会(私大協)入試委員会委員長の小林弘祐・北里研究所理事長は、加盟する私立大学に大学入学共通テストの利用について聞いたアンケート調査の結果を報告した。私立大学の多くが来春(2021年度)の入試で英語民間試験を独自に活用して英語4技能を測り、記述式問題を出題しようとしている実態が明らかになった。私大協は、私立大学にとって、共通テストによる英語4技能の測定と記述式問題の出題は「必ずしも必要ではない」と結論づけている。

アンケート調査の結果を報告する小林弘祐・私大協入試委員会委員長

結果が報告されたのは、「『大学入学共通テスト』の利用に関する緊急アンケート」。私大協には、国内の私立大学607校のうち404校が加盟しており、このうち大学院大学などを除く400校に調査を依頼。339校から回答を得た(回収率84.8%)。

それによると、現行の大学入試センター試験について、一般入試での利用状況を聞いたところ、「利用している」が309校(91.2%)、「利用していない」が29校(8.6%)。センター試験の利用方法は、「個別試験との併用」が24校(7.8%)、「センター試験のみで合否判定」が200校(64.7%)、「両者の併用」が84校(27.2%)。私立大学の90%超が一般試験としてセンター試験を利用し、その多くがセンター試験のみで合否判定を行っていることがわかった。

次に、英語4技能評価について、2021年度の一般入試での実施状況を聞いたところ、「実施する」が93校(27.4%)、「検討中」が79校(23.3%)、「実施しない」が166校(49.0%)だった。共通テストでの英語民間試験の活用が延期された後でも、私立大学の一般入試では3割近くが英語4技能評価を実施し、検討中の2割強を含めれば5割超の私立大学で英語4技能評価の実施が意識されている。

さらに「実施する」と答えた93校に、英語4技能の測定方法を聞いたところ、民間の英語検定を出願資格や合否判定に活用する大学が計72校(77.4%)だった。独自の試験で英語4技能を測定すると答えた大学は5校(5.4%)のみで、私立大学の一般入試における英語4技能の測定は、英語民間試験の活用が中心となっていることが判明した。

一般入試で英語4技能評価を実施する私立大学のほとんどがすでに独自判断で英語民間試験の活用を進めていることから、私大協では、共通テストへの英語民間試験の導入は必ずしも必要ではない、とみている。

続けて、記述式問題について、2021年度の一般入試での実施状況を聞いたところ、「行う」が220校(64.9%)、「行わない」が60校(17.7%)、「検討中」が58校(17.1%)。共通テストで記述式問題の導入が見送られた後も、「行う」と「検討中」を合わせれば、私立大学の80%超が一般入試で記述式問題の実施を意識していることが分かった。

このため、私大協では、共通テストへの記述式問題の導入には、私立大学の多くが不要と感じていると分析。共通テストでは、記述式問題の導入によって採点に時間がかかり、成績提供時期が遅れると、入学共通テストを利用できない私立大学が増加する、と指摘した。

こうした調査結果を受け、小林理事長は▽大学入学共通テストでは、学力の3要素の到達度測定について、マークシートあるいはCBTで可能な範囲で対応すればいい▽英語民間試験の活用は、共通テストと切り離し、採否を各大学に任せてほしい▽記述式問題は、採否を含め、各大学の一般入試あるいは個別の2次試験に任せてほしい――との意見を表明。

「私立大学の入学試験は多様であり、英語民間試験の活用方法や、記述式問題の導入については、それぞれの大学がアドミッション・ポリシー(入学者選抜方針)に従って判断したい」と述べ、共通テストによる一律の対応は不要との考えを強調した。

次のニュースを読む >

関連
関連記事