休校でも給与全額補償を 私立非常勤講師が訴え

一斉休校に伴い、一部の私立学校の非常勤講師に休業補償が十分に支払われていない問題を巡って、私立学校教員の労働組合「私学教員ユニオン」は3月24日、非常勤講師に対しても期間中の給与全額を補償するよう、文科省と日本私立中学高等学校連合会に申し入れた。また、今年3月いっぱいで雇い止めに合う非常勤講師について、新型コロナウイルス感染症の影響で就職活動がままならないとし、状況にめどがつくまで雇用を継続するよう求めた。

会見で一斉休校による影響を説明する、私立学校の非常勤講師ら

同日、文科省で記者会見を開いた佐藤学代表は「今回の一斉休校で最もしわ寄せを受けているのが、私立学校の非常勤講師だ。公立学校に関しては文科省が基準を示しているが、私立は学校によって基準や対応がバラバラな点が問題だ」と指摘した。

会見には私立学校の非常勤講師2人も出席し、一斉休校に伴って生活が困窮している現状を説明した。

Aさん(仮名)の勤める中高一貫校では、2月28日より休校措置が取られた。3月はまったく授業がなかったため、給与がどうなるか不安を抱えていたが、学校からはいまだに連絡がないという。

「非常勤講師は雇い止めにあうリスクが頭をよぎり、給与について自分から学校に言い出しにくい。全国の私立学校には不安を抱える非常勤講師がたくさんいるが、声をあげられないのが現状だ」と訴えた。

さらに副業の塾講師もいつ休校になるか不安だと打ち明け、「非常勤講師と塾講師の給与合わせて月20万円ほどで、何とか生活できていた。このまま休業補償が支払われないとしたら、家賃を払うことすらままならない」と強調した。

また、一斉休校を巡って同組合に寄せられた相談についても公表。関連する相談は公立や私立合わせて87件寄せられ、うち休業補償が「支払われない」または「不明」との回答は8割以上を占めた。

私立学校に所属する相談者からは、「3月の授業がなくなり、学校から『3月の手当は支給しない』とメールがあった」「直接雇用の非常勤は賃金が補償されるが、派遣は補償されない」「休業補償が6割出る。全額支給を求めると『就業規則に労基法にのっとると書いてあり、それ以上は支払いません』と言われた」などの訴えがあったとし、学校によって対応にばらつきがあることや、明確な基準がないことを指摘した。


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