時差通学や分散登校も 都教委が学校再開へ独自指針

東京都で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染者が急増し、首都圏での爆発的な感染拡大(オーバーシュート)が懸念される中、都教委は3月26日の定例会で、新年度からの学校再開の指針となるガイドラインを公表した。授業時間を減らして通勤ラッシュ時を避ける「時差通学」や、一日に登校する児童生徒の数を少なくする「分散登校」、身体接触を伴う動きの制限など、授業や部活動に大きな制約を課した都独自の感染拡大防止策を打ち出した。

独自の学校再開ガイドラインを公表した都教委の定例会=26日

文科省が24日に都道府県の教育委員会などに通知した、学校再開に関するガイドラインに比べ、児童生徒の感染リスクにつながる行動をさらに細かく制約している。都内の感染状況に大きな変化があれば、臨機応変に内容を見直して対応するとしている。ガイドラインは都立の高校、特別支援学校などに同日付で通知され、小中学校を管轄する市区町村には参考送付される。

都立高校は4月6日に始業式を予定する。電車、バスによる通学が通勤ラッシュ時と重ならないよう、ガイドラインでは当面の間、授業時間や部活動を短くして、始業時刻を午前10時、終業時刻を午後4時などとする「時差通学」を求めた。

通学時には電車やバスの中での会話を控えさせるなど、飛沫(ひまつ)感染の防止に努める。小池百合子知事が大規模イベントの自粛を要請している4月12日までは、学年ごとに登校日をずらす「分散登校」を実施し、一日当たりの登校人数を大幅に減らして教室を広く使う。感染状況によっては、13日以降も分散登校の継続を検討する。

児童生徒には毎朝、自宅での検温を指示。校内には消毒用アルコールを設置するなど、手指を衛生的に保つ環境を整える。教室のドアや窓は少なくとも休憩時間ごとに開放し、ドアノブ、手すりなどの消毒も徹底する。飛沫感染の防止にはマスク着用が望ましいとし、手洗いできる布製や手作りのマスクも推奨した。

授業と部活動の制約は大きい。近距離の会話や発声をできるだけ避けるため、授業ではグループや少人数で話し合い、教えあうなどの活動を控える。体育と部活動では、身体接触を伴う活動をしない。柔道の組み手や、サッカー、バレーボールなどの球技での接触プレーができなくなる。2人が手と手を組んで行う準備体操もできない。身体接触のない、基本的な体力や技能のトレーニングが望ましいという。部活動は授業日以外には実施せず、対外試合も自粛を求めた。

音楽は合唱や管楽器の演奏をしない。家庭科は調理実習をしない。給食は対面して食べることを避け、配膳の際には児童生徒が間隔をあけて並ぶなどの工夫をする。

学校行事では、修学旅行や遠足、映画鑑賞教室など宿泊を伴う行事や校外での活動を延期または中止する。児童生徒が一堂に集まる校内の避難訓練、防災訓練や、球技大会なども延期または中止する。下校の際は速やかに自宅などに帰り、不要不急の外出をしないよう指導することを求めた。保護者にも、春休み中、子供たちに不要不急の外出をさせないなど、感染予防に配慮するよう求めている。

教職員に対しても、毎朝自宅で検温し、出勤時には「健康チェック表」への体温の記入を徹底させる。風邪の症状がみられるときは「決して無理せず自宅で休養する」ことを求めた。勤務時間外も「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」が同時に重なる場を避け、感染リスクの高い行動の自粛を徹底してほしいとした。

校内の児童生徒や教職員から感染者が確認された場合は、14日間を目安に臨時休校とする指針も、併せて示された。

小池百合子・東京都知事は3月25日、都内で1日に確認された感染者の数として最も多い41人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表。「感染爆発の重大局面」とオーバーシュートが起きる可能性を示唆して、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控え、今週末は不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

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