【学校再開に備える】児童生徒のメンタルヘルス対策は?

休校措置によって心配されているのが、子供たちのメンタルヘルスだ。春休み終了後の新学期から学校再開するよう求めた文科省通知が各都道府県の教育委員会に出されたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される中、教員はどのように子供たちのメンタル面をケアしていくべきか。子供のレジリエンス(精神的回復力)に関する研究や実践を進めている、静岡大学教育学部の小林朋子教授に対応策を聞いた。

――新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって子供たちはストレスを抱えていますが、それを軽減するためにはどうすれば良いのでしょうか。

今回のような突然の出来事が起こると、子供たちは動揺したり、不安になったり、ムカついたり、イライラしたり、いろんな気持ちになります。

そんな時に大切なのがレジリエンス、つまり「心の回復力」です。

私はこれまで学校現場と連携しながら、子供のレジリエンスについて研究を重ねてきました。

まず、大切なことは、つながりを大事にすることです。学校が休みで友達になかなか会うことができないときでも、LINEなどを活用して、不安な気持ちやイライラなどを、家族や友達同士で話すことをおすすめします。

スマホのやりすぎは問題になっていますが、スマホを適度に活用してコミュニケーションをとっている子供の方が、レジリエンスが高いことが分かっています。

また、レジリエンスは規則正しい生活と関係していることも分かっています。早寝早起きをして、3食きちんと食べることが、前向きな気持ちを引き出してくれます。

――春休み終了後の新学期から学校が再開される予定です。学校再開後に教員が気を付けるべきポイントについて教えてください。

休校中に生活習慣が乱れてしまっている児童・生徒が多くいると思います。ゲームのやり過ぎや、運動不足が心配なケースもあるでしょう。学年が上がれば上がるほど、朝起きられずに遅刻してくる児童・生徒も増えると思います。

学校再開後にすぐにギアチェンジして戻れる子もいれば、昼夜逆転で元の生活に戻るまで時間がかかる子もいます。こういったケースは初めてなので予想も難しいのですが、「登校しぶり」なども増加するのではないかと危惧しています。

こうした状況において、まず先生は、子供たちの体調をチェックすることはもちろん、きちんと食事が取れているか、睡眠が取れているか、といった当たり前の生活習慣を把握するようにしてください。

そうしたことが、メンタルヘルスに直結してきます。当たり前の生活習慣が乱れている子供ほど、気にかけてあげるようにしてください。あまりにも生活習慣が乱れている児童生徒がいる場合は、小児科医などとの連携も検討したほうが良いでしょう。

子供たちが苦しい時や困った時に、新しい担任の先生にサインを出せるよう、この4月は例年以上に児童・生徒との関係づくりを丁寧にやっていくことが必要です。

――学校再開後に児童生徒や教職員の感染などが確認された場合、再度臨時休校などのケースも出てくることが想定されています。

今後、学校で感染者や濃厚接触者が出た場合、それが特定の児童生徒に対する偏見や差別、いじめにつながる可能性があります。私は今、この点を一番心配しています。

また、保護者からも、「きちんとPCR検査をやったのか?」「本当に陰性になったのか?」などといった問い合わせが増えることが予想されます。

中途半端な対応や対応の遅れが児童生徒のいじめにつながることがないよう、想定されるあらゆるケースについて、学校再開までに十分に校内でシミュレーションし、リスクマネジメントをしておくべきです。

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