文科相、GIGAスクール前倒しに意欲 家庭学習活用も

全国の一斉休校でオンライン授業に対するニーズが一気に高まっている状況を受け、萩生田光一文科相は3月31日の閣議後会見で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って政府与党で検討している緊急経済対策に、オンライン授業に対応するためのインフラ整備の必要性を提言し、2023年度までに「1人1台端末」を整備するGIGAスクール構想の前倒し実施を盛り込むことに意欲を表明した。また、全国の小中学生に1人1台整備する学習者用コンピューターを家庭学習に活用することについて、「こういう緊急事態では、非常に有効なツール。有効性は一定程度、私は認めていきたい」と述べ、実現を検討する考えを示した。

GIGAスクール構想の前倒しに意欲を語る萩生田文科相

萩生田文科相は記者団との質疑で、「新年度からGIGAスクール構想を進めていこう、児童生徒に1人1台あたりの端末を整備しよう、とやってきた。しかし、図らずもこういう(新型コロナウイルス感染症の感染拡大という)事態が生じ、もしインフラ整備がもっと早く進んでいれば、休校中のオンライン授業などさまざまな活用ができたなと、悔しい思いをしている」と、心情を語った。

その上で、「すでに令和2年度の予算は確定したけれども、これから積み上げる経済対策には、ぜひ改めてこういった必要性も提言をしていきたい。整備を前倒しできるならば、ありがたいと期待している」と述べ、緊急経済対策にGIGAスクール構想の前倒し実施を盛り込みたいとの考えを表明した。

同時に、学校と家庭を結ぶオンライン授業の実施について、「オンライン授業となると、受け手の環境もある。例えば、WiFiが家庭になければ、WiFi専用端末では対応できない。ルーターの貸し出しなども含めて、この機会に足元をしっかり見直して、できる準備は少し加速していきたい」と指摘。これまでのGIGAスクール構想で想定していないインフラ環境の整備が必要になるとの見方を示した。

また、1人1台端末として整備する学習者用コンピューターを家庭学習に活用する考え方については、「こういう緊急事態では、非常に有効なツールだと思う。環境が整った後には、(端末の)持ち帰りが是か非かという議論がまだ残っているが、活用できるものはいろいろあるのではないか。有効性は一定程度、私は認めていきたい」と、活用を支持する考えを表明。

「ただ、行き過ぎると、学校にこなくていいんじゃないか、オンラインでいいんじゃないかという意見もある。直ちにそこへワープするのではなくて、この非常事態を踏まえて、ICTツールの有効性をもう一回しっかり確認した上で、有効性を考えていきたい」と説明した。

GIGAスクール構想では、2023年度までに全国の小中学校に1人1台の学習者用コンピューターを国主導で整備する。19年度補正予算に、小学5、6年生と中学1年生に1人1台端末を優先的に整備する経費として2318億円が盛り込まれ、現在、予算執行が進んでいる。

このGIGAスクール構想の前倒しは、自民党など与党から緊急経済対策の中に盛り込むべきだとの意見が台頭。自民党学校耐震化・施設整備等促進議員連盟が3月26日に学校のICT環境整備の大幅な前倒しを求める緊急要望書を萩生田文科相に提出したほか、自民党の教育再生実行本部でも3月30日の特別部会でも同様の意見が出された。同時に、自民党内には、臨時休校などの緊急時に子供たちの学びを保障する手段として、学校が整備する端末を家庭学習で活用するために必要な環境整備を求める声が高まっている。

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