遠隔授業に対応 4月下旬にも補償金制度実施を前倒し

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)による臨時休校に伴い、遠隔授業に乗り出す学校が増えていることを受け、文化庁はこのほど、現在未施行となっている「授業目的公衆送信補償金制度」を4月下旬にもスタートさせる方針を決めた。

現状では、遠隔授業で教科書に載っている文章や問題、音楽などの著作物を著作権者の許諾なしにネット配信することは、著作権法上の公衆送信権の侵害に当たる。2018年に成立した改正著作権法では、学校での遠隔授業の普及を見越して「授業目的公衆送信補償金制度」を導入。学校が補償金を補償金の徴収・分配を担う指定管理団体に支払えば、著作権者の許諾を得なくても授業目的の公衆送信を可能にしていたが、まだ施行されていなかった。

文化庁では、新型肺炎による臨時休校で遠隔授業を実施する学校が増えていることを踏まえ、3月4日付の通知で著作権管理団体などに対し、休校期間中に学校が遠隔授業などで著作物のネット配信に対する配慮を求めていたが、臨時休校が長期化する可能性が出ていることを受け、「授業目的公衆送信補償金制度」を予定より約1年早めて開始する。

補償金の具体的な金額については、自民党が3月31日に取りまとめた緊急経済対策の第3弾の中で、20年度については特例的に無償とすることを提言。現在、権利者団体間での調整が進んでいる。

4月1日から、文化庁は、同制度の指定管理団体が徴収した補償金のうち、著作権の保護や著作物の創作振興などに関する事業に支出する割合を、20年度中は暫定的に2割とする著作権法施行規則の改正案についてパブリックコメントを実施。この割合は21年度以降、教育現場での利用状況を踏まえ、改めて設定するとしている。

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