学校再開か休校継続か 感染者急増の自治体が苦渋の決断

学校再開か、休校継続か――。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染者が急増している自治体が、新学期を前に決断を迫られている。4月2日には福岡市教委が、市立小中高校などで臨時休校を継続し、6、7の両日に予定していた始業式を2週間遅らせることを決めた。1日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で大阪府などとともに「感染拡大警戒地域」と指摘された東京都は同日、大型連休最終日の5月6日まで都立学校の休校を延長することを決めている。都市圏の自治体や政令市なども新学期のスタートを遅らせるかどうか、週末をめどに結論を出そうと議論を重ねている。

一斉休校からの学校再開に向け、文科省は3月24日に「学校再開に関するガイドライン」を都道府県の教育委員会などに通知し、4月初めからの授業再開に期待が膨らんだ。一方で新型肺炎の感染拡大は収まらず、欧米では爆発的な感染拡大に事態が及んだことから、学校再開は慎重にすべきとの声も高まってきたのが現状だ。

学校再開の可否について、感染拡大が深刻な自治体の多くは、感染症の専門医らでつくる政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が1日に示す見解を踏まえて、結論を出したいとしていた。1日の専門家会議では、都市部を中心に感染者が急増していると分析した上で、「感染が大幅に増加している警戒地域では一斉休校も選択肢として検討すべき」との見解が示された。

萩生田光一文科相は「学校を再開するか、休校を延長するかは各自治体の判断に委ねる」とし、地域ごとの感染状況に応じた判断を尊重する構えを示した。専門家会議で感染者数が「2.5日ごとに倍増している」と指摘された東京都は、専門家会議の見解が出る前に、いち早く大型連休最終日までの休校に踏み切った。

ただ、臨時休校の継続により新学期のスタートが遅れれば、学校現場で年間指導計画の大幅な見直しが求められる。児童生徒の学業が遅れることも否めない。3月初めから続いた一斉休校で、子供たちのストレスは相当にたまっており、仕事を抱えながら子供の面倒も見なければならない保護者の負担も増すばかりだ。

休校の延長に保護者からは「感染防止のためには、やむを得ない」という声が上がる一方、「あと1カ月も休校が続くのはつらい」との本音も漏れる。

教職員や子供たちに混乱なく新学期を迎えてほしいと、独自の指針をつくる自治体もある。大阪市教委は新学期に向けた「感染症対策マニュアル」を4月1日に作成し、市立の幼稚園と小中学校に配布した。

児童生徒や教職員らに感染者が出た場合、感染が判明した日を含む2日間を臨時休校とし、その学級は14日間閉鎖するとした。授業に関しては、体が接触する運動は避ける、音楽で歌うのはやめ、リコーダーなど口に触れる楽器も演奏しない、家庭科で調理実習はしない――ことなどを盛り込んだ。運動会は2学期に延期する。4月か5月に予定している修学旅行も延期するとした。

市教委は「文科省の示したガイドラインよりも踏み込んだ内容としている。感染予防につなげるよう、徹底させたい」としている。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集