教育実習、秋以降への変更を通知 「卒業年次を優先」

萩生田光一文科相は4月3日の閣議後会見で、教員免許状の取得に必要な教育実習について、本年度前期の実施を見送り、秋以降に変更するよう通知する考えを明らかにした。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、一部の地域で臨時休校が継続されることを踏まえ、年度前半の教育実習の実施は不可能と判断した。

「教育実習は教育者としての愛情と使命感を深める重要な機会」と話す萩生田光一文科相

大学や都道府県などの教育委員会に通知。秋以降に実施される教育実習について、大学4年生など卒業年次を迎える学生を優先するよう求める。また、奈良県教委は4月2日、今春に予定されていた教育実習を9月以降に延期する方針を決めた。

萩生田文科相は「新型コロナウイルス感染症の拡大で、地域によっては学校の臨時休校に伴い、年度前半の教育実習の実施が困難になる場合もあり得る」と指摘。

その上で、各大学や教委に対し、教育実習の実施にあたっての留意事項として▽今春に予定していた実施時期を秋に変更してもらいたい▽3年生で実習が終わっている学生もいるし、4年次で教育実習に出ようと準備をしていた学生もいる。その場合は卒業年次の学生を優先に準備をしてほしい▽教育実習の2週間前程度から毎朝の検温やかぜ症状の確認、実習中のマスクの常用など万全の感染症対策を講じる――と通知する考えを示した。

萩生田文科相は「(時間的に)あまり先にいかないうちに、(教育実習が秋以降に)しっかりできることを発信し、それに対応できる準備をやっていきたい」と述べ、教員志望者を支援していく考えを示した。

奈良県 教育実習を9月以降に延期

教育実習については、奈良県教委が4月2日に開かれた定例会で、県立学校における教育実習や小中学校の教員免許状の取得に必要な「介護等体験」などの受け入れを、9月以降に延期する方針を決めた。特に特別支援学校や高齢者施設、障害者施設などで数日間にわたる受け入れを行う「介護等体験」は、感染すれば重症化しやすい基礎疾患のある人が多くいることから、感染リスクが高いと判断した。

公立小中学校を所管する県内の市町村にも同様の対応を要請。近く、各大学に対しても方針を通知する。

県教委の担当者は「このまま感染拡大が落ち着かなければ、さらなる延期もあり得る。そうなれば学生の卒業や免許取得にも影響が出るので、関係機関と対応を協議しなければならない」と話した。

県教委によると、昨年は県立高校で148人、特別支援学校で31人が教育実習を行った。また、「介護等体験」では、約1300人の教員志望者を県内に10校ある特別支援学校が分担して受け入れたという。

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