私大入学の家計負担、過去最高 自宅外通学者220万円

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は4月3日、文科省で会見し、2019年度に短大を含む私立大学に入学した新入生の家庭にかかった「家計負担調査」の結果を発表した。受験から入学までに要した費用は自宅外通学者が220万633円、自宅通学者が158万3133円で、ともに過去最高額となった。毎月の仕送り額は過去最低だった前年度の調査より微増したものの、私学の高額な学費が家計を圧迫し、学生は学業の傍ら生活費を稼ぐためアルバイトに頼らざるを得ないという構図がなお深刻なことが分かった。

会見で調査結果を説明する東京私大教連のメンバー

調査は1983年度から行っており、対象を「新入生の家庭」に限定してから今回が35回目。東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木の1都5県にある14大学・短大に入学した学生の保護者を対象に、昨年5月から7月にかけて郵送のアンケートを実施し、4396件の有効回答を得た。

「受験から入学までの費用」は、220万633円だった自宅外通学者が前年度と比べ1万6200円増加し、158万3133円だった自宅通学者は1万6100円増えた。ともに増加分はほぼ全部が「受験費用」で、東京私大教連は「浪人を避けるため、受験校や受験学部を増やしたのではないか」と説明した。

入学時以外の仕送り額を含めた自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は前年度より2万7600円多い299万3133円に上り、300万円の大台に迫った。調査対象世帯の平均年収は942万5000円だったため、入学年にかかった費用が年収の3割を占めたことになる。

一方で、仕送り額の平均は、入学直後の新生活や教材の準備で費用がかさむ5月が9万7700円で、前年度と比べて2000円減り、過去最低となった。出費が落ち着く6月以降は8万5300円で、過去最低だった前年度より2200円増えたが、過去2番目に低い水準で、減少傾向が続いている。過去の調査で最も高かった94年度の6月以降の月額平均12万4900円と比べると、3万9600円も減った。仕送り額から家賃の平均6万3400円を引いた生活費は2万1900円で、1日当たりでは730円。こちらも過去最低だった前年度の677円から増えたものの、過去2番目に低く、アルバイトなしでは生活できない学生の実態が浮き彫りとなっている。

入学費用を借りた家庭の金額は平均194万円で、前年度と比べ5万4000円減ったものの重い負担が続く。受験から入学までにかかる費用の「負担感」は「たいへん重い」が49.6%に達し、過去最高となった。「重い」の43.1%と合わせると92.7%に達し、こちらも過去最高の数値となった。

重い負担を和らげるため、日本学生支援機構などの奨学金を「希望する」家庭が59.2%に上ったが、実際に申請したのは54%にとどまった。「申請基準に合わない」が、希望したものの申請しなかった家庭の半数を占めたが、返済時に金利を乗せた奨学金を借りる学生も多いことから、「奨学金とは名ばかりで、借金である」と考えて申請を断念するケースも増えているという。

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が世界規模の感染拡大となるパンデミックを引き起こし、今後、景気の大幅な後退が避けられないことから、学費や仕送りの家計への負担はさらに重くのしかかることが予想される。調査にあたった東京私大教連は「直近の家計急変で経済的に修学困難となったすべての学生が給付型奨学金の支給、授業料減免を受けられるよう措置を行うこと」などを盛り込んだ「新型コロナウイルス感染防止に関する緊急要請書」を、3月27日付で萩生田光一文科相に提出した。

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