GIGAスクール2292億円 年度内に整備完了へ 緊急経済対策

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染拡大による国民生活や経済への影響に対応するため、政府は4月7日夕、臨時閣議を開き、緊急経済対策を決定した。事業規模は過去最大規模の総額108兆円となり、GDP(国内総生産)の20%にあたる。対策にかかる経費を盛り込んだ2020年度補正予算案も閣議決定され、大型連休までの成立を目指す。文科省関連予算は2763億円が計上され、このうちGIGAスクール構想の関連予算が2292億円と8割超を占めた。臨時休校が長引く状況を踏まえ、2023年度を目標としていた児童生徒1人1台のPC端末整備について、今年度内の完了を目指す。端末を家庭学習にも活用できるよう、モバイルルーターの無償貸与や教員用のカメラやマイクも整備し、遠隔教育が可能なICT環境の整備を一気に加速させる。

GIGAスクール構想の前倒しについて説明する萩生田光一文科相

GIGAスクール構想の関連予算については、「1人1台端末の早期実現」に1951億円を計上。「学校ネットワーク環境の全校整備」に71億円を盛り込み、自宅にノートパソコンやタブレット端末が使えるWi-Fi通信環境のない全国の対象世帯にモバイルルーターを無償貸与する「家庭学習のための通信機器整備支援」に147億円を計上した。

無償貸与するモバイルルーターの価格は上限1万円を想定しており、関連予算147億円から単純計算すると、総数は147万台となる。文科省情報教育・外国語教育課の担当者は「これまでは学校の中のネット環境をいかに整備するか想定してきたが、臨時休校が長引いたことで、家庭の中での通信環境を整える必要性が高まってきた」と説明。全国の小中学生を持つほぼすべての家庭にWi-Fi環境が整備されるとの見通しを示した。通信費用は自治体が負担するとした。

また、「障害のある児童生徒のための入出力支援装置整備」にも11億円を充てる。

このほか、ICT関係企業のOBらICTのスキルが高い人を教育委員会や学校に招く「GIGAスクールサポーターの配置」に105億円を計上。遠隔授業で学校側が使うカメラやマイクを整備する「学校からの遠隔学習機能の強化」にも6億円を充てた。

臨時閣議後の記者会見で萩生田光一文科相は「就任以来、令和の時代のスタンダードとして進めてきた。早急に実現したい」とGIGAスクール構想の年度内前倒し実施に力を込めた。続けて「パソコンやタブレットは自治体が判断すればすぐ購入できるようになる。できるだけ早期の購入を促したい。分かりやすいコンテンツを詰め、ICTを活用して休校中にしっかり授業をしたい」と述べ、休校期間中の家庭学習にも役立てたいとの考えを示した。大学なども遠隔授業に必要な環境整備を進めるとした。

新型コロナウイルスの感染拡大で収入が急減した世帯の高校生らに対し、授業料減免や奨学給付金を通じた支援をする。大学生についても授業料減免も含めたきめ細やかな配慮ができるよう、支援するとした。一斉休校に伴う修学旅行の中止や延期により発生したキャンセル料は、保護者の負担軽減を図るため、自治体に助成する。

このほか、学校における感染症対策として、児童生徒や教職員に、1人2枚の布製マスクを配るとした。子供の居場所確保に関しては、臨時休校の期間中、自宅で過ごすことのできない児童生徒の居場所や学習機会を確保するとした。

さらに、新型コロナウイルス感染症対策のため、治療薬やワクチン開発などの研究開発を加速させる「感染症研究・大学病院への支援」に101億円を計上。「スポーツ・文化活動への支援」に59億円を盛り込んだ。

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