緊急事態宣言に緊迫 7都府県の教育現場を追う

安倍晋三首相が4月7日、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染が急激に拡大している東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を発令したことで、7都府県の知事らは7日夜に緊急会見を開くなど対応に追われた。不要不急な外出の自粛徹底や学校の休校期間延長など、各自治体は一段と強化した感染予防対策を取りまとめた。8日にはオンラインで結んだ全国知事会緊急対策本部が開かれ、東京都の小池百合子知事は「今はまさに国難ととらえている。国と地方自治体の強固な連携が必要だ。厳しい地域の現状を踏まえて対応していきたい」と、感染拡大をせき止めるために対策を徹底する決意を表明。教育現場の動きを追った。


東京都

東京都では区ごとに対応を決めた。世田谷区は区内の感染者数が増加傾向にあることから、6日から学童クラブの運営を休止した。利用児童数が増え、限られた活動スペースの中で子供同士の密集、密接を避けることが困難になったとして、緊急事態宣言が発令される前に運営休止の判断をした。保育園については開園を続けている。

豊島区は学童クラブと保育園を10日から休止する。保護者が医療従事者、警察、消防など社会の機能維持に必要な職種に就いている場合は、区立19カ所の保育園で、午前9時から午後5時まで、弁当と水筒持参で預かる応急保育を実施する予定だ。

渋谷区は6日の時点で、緊急事態宣言が発令された場合には、その期間中、放課後クラブを休止するとの通知を出した。渋谷区の担当者は「何よりも子供への感染リスクを減らしたいと考えて判断した。保護者の要望や国の動きに合わせ、柔軟に対応していきたい」と話した。保育園は64カ所を臨時休園し、継続する6園で医療従事者や警察官、消防士ら、仕事を休むことが困難な職場で働く保護者の子供を受け入れる。

中央区は区内の認可保育園、認定こども園の臨時休園を決めた。期間は4月13日から大型連休最終日の5月6日まで。保護者の職種に関わらず、自宅などで過ごすことが困難な子供については受け入れるとしている。

一方、都教委は4月6日付で都立学校の教職員に、必要最低限の業務を除き、原則として在宅勤務とする通知を出した。特別支援学校などは、必要最低限の人数で勤務に当たるよう要請している。区市町村教育委員会にも同様の参考通知を出した。

埼玉県

埼玉県の大野元裕知事は7日夜、記者会見を開き、同県の緊急事態措置について発表。当初、県立中学校、高校については13日からの学校再開を目指していたが、緊急事態宣言を受けて、5月6日まで臨時休校を延長する。入学式については、参加者を生徒と教職員のみとするなど、感染予防対策を徹底した上で実施し、全校生徒が一堂に会するような形での始業式は実施しない。臨時休校中は、必要最小限の登校日を設定するほか、児童生徒の運動不足やストレス解消のため、県立高校の校庭を開放する。部活動は実施しない。

3月からの一斉休校中も開校していた特別支援学校は新年度も予定通り始まる予定だったが、県立高校などと合わせ5月6日までを臨時休校とする。ただ、放課後デイサービスの調整など、家庭の受け入れ態勢を整える必要があることから、4月10日までは開校することも可能とした。やむを得ない事情があれば、保護者の送迎や昼食持参を条件に、児童生徒の受け入れを行う。

公立小中学校などを所管する市町村教育委員会や私立学校に対しても、県の方針に合わせて5月6日まで臨時休校とし、子供の居場所確保のため、学校での児童生徒の受け入れなどを要請。感染が拡大傾向にある市町村では、必要に応じて保育所や学童保育の縮小を検討することも求める。

県教委によると、県立学校の教職員の勤務については、現段階で時差通勤やテレワークは実施していないものの、緊急事態宣言を受けて検討を進めているという。大野知事は「地域の感染拡大に子供がほとんど役割を果たしていないと、そういった専門家の指摘はある。あるいは『ぜひ学校を始めてほしい』という声もある。ただ、そういう中でも、近接する地域で感染が拡大していることから、首都圏全体で取り組み、子供たちを守るという観点から県教育委員会に対して休業を要請する」と呼び掛けた

千葉県

千葉県は緊急事態宣言を受け、4月末までとしていた県立高校の休業期間を5月6日まで延長し、4月8日以降に予定されていた入学式の延期も決めた。登校日などの実施については未定としている。

休校期間中、生徒は自宅学習に努め、学習の取り組み状況については学校側が電話などで随時確認する。

県内に36校ある特別支援学校についても寄宿舎は閉鎖となり、原則として家庭学習とした。家庭の事情で子供が自宅で一人になる場合などは、相談に応じた上で柔軟に対応する予定だ。県は市町村の教育委員会にも5月6日までの臨時休校を要請した。森田健作知事は、4月7日夜の記者会見で「人と人との接触をなんとか減らさないと新型コロナウイルスを打倒できない」と、昼夜を問わない外出自粛への協力を呼び掛けた。

神奈川県

神奈川県は、6日から2週間程度続けるとしていた県立学校の臨時休校を5月6日まで延長した。この間、教職員も業務に差し支えない範囲で、できるだけ在宅勤務とする。学童保育と保育所は可能な限り開所を続けるとした。県内の市町村立の学校についても、5月6日まで休校するよう要請した。黒岩祐治知事は県のホームページに県民に向けたメッセージを載せ、「外出の自粛をこれまで以上に徹底していただきたい」と呼びかけた。

大阪府

大阪府は緊急事態宣言を受けて7日夜に新型コロナウイルス対策本部会議を開き、府としての緊急事態措置を取りまとめた。府内にある幼稚園や小中学校、高校、特別支援学校、大学については休校を要請。保育所は適切な感染防止策を実施するよう協力を求める一方、家庭での保育が可能な場合は利用を控えるよう呼びかける。

吉村洋文府知事は7日の記者会見で、保育所と幼稚園で対応が分かれたことについて「まさに保育を必要とする人が利用しているのが保育所であるから、もし保育所を閉めるとなれば、医療従事者や医療関係者、あるいは支援を必要とする所に勤務されている方自身が仕事をできなくなってしまう恐れもある」と説明した。

府立学校については、4月3日時点で連休明けの5月6日まで臨時休校としていたが、緊急事態宣言を受け、この方針を継続。加えて、4月8日以降の入学式や始業式、健康診断などの実施も延期とする。登校日も当面は設定せず、感染状況や専門家の意見を踏まえて、必要に応じて判断する。市町村教育委員会や私立学校についても同様の要請をする。

府教委の酒井隆行教育長は緊急事態措置を受けて発表したメッセージで「登校日は臨時休業中の学校と子供たちや保護者とのつながりを保つ重要な取り組みです。できるだけ早期に実施できるよう、知事と協議を進めてまいります」と、登校日を設ける考えを示した。府立学校の教員の勤務態勢について、府教委では2018年9月から育児や介護などの事情がある教員に対して端末を貸し出し、在宅勤務ができるようにしているが、緊急事態措置を受けての対象拡大は現時点では検討していないという。

兵庫県

兵庫県は緊急事態宣言を受け、4月19日まで予定していた県立高校の休校期間を5月6日まで延長。市町立学校にも同様に、5月6日までの臨時休校を要請した。井戸敏三知事は7日夜、記者会見を開き、「始業式や入学式も取りやめるが、授業を始める上での注意事項を伝えていく必要があるため、8日は在校生および新入生向けに、時間を短縮した上で説明会を開く」と話した。

市町立学校も同様に5月6日まで休校するよう要請。私立幼稚園・幼稚園型認定こども園についても、5月6日までの休校を要請するが、やむを得ない預かり保育については、必要に応じて設置者が判断するとした。県立学校教員の勤務態勢については、在宅のテレワークなどの実施が現段階では難しいとしている。

福岡県

福岡県は県立学校が5月6日まで臨時休校する。学童保育や保育園は、子供たちの感染予防に配慮しながら開所を続けるとした。県立学校の教職員は時差出勤に取り組んでいるものの、休校期間中も原則として学校に通勤する。

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