全国高校総体に暗雲 各地でブロック大会中止の動き

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染拡大で小中高校の休校が長引き、部活動を自粛している自治体が多い中、8月に予定されている全国高校総体(インターハイ)の開催が危ぶまれている。インターハイにつながるブロック大会のうち、九州大会、中国大会、関東大会などで中止の動きが出てきたためだ。一方で、春の全国高校選抜大会に続く全国大会の中止が選手に及ぼす心身両面への悪影響を懸念し、規模を縮小してでも開催してもらいたいと願う関係者らの声も切実だ。全国高等学校体育連盟(高体連)は4月中に臨時理事会を開き、各地の動向を踏まえた上で、インターハイ開催の可否について協議する。

ブロック大会の中止が相次ぐ理由としては、選手や関係者が広域から集まることから、①航空機やJR、バスなどでの移動で安全が確保できない②宿泊を伴う大会となり、飲食なども含めて宿泊施設内での感染拡大の恐れがある③現時点で学校教育活動や部活動を再開できていない県が多く、十分な準備期間をとった上での大会実施が難しい④開催の方向で進めた後、感染状況の悪化などで急きょ中止した場合は、移動交通機関や宿泊施設のキャンセル料など、かなりの負担が予想される――などが挙がっている。

九州高体連は4月8日、九州各県と沖縄県で6月から7月にかけて開催を予定していた全九州高校体育大会を中止すると決めた。休校で部活動ができない県が多く、生徒の移動や宿舎の安全確保も難しいとして、開催を断念した。

ただ、春の全国高校選抜大会も中止されたことから、インターハイにつながる大会も取りやめとなれば、とりわけ3年生の選手は公式戦出場の機会を奪われたまま高校での競技生活を終えることになる。こうした選手たちの心情に配慮し、各県大会は、九州大会の中止で空きが出る日程に繰り延べるといった工夫で実施したいとしている。

大会事務局を務める福岡県高体連の児玉正悟理事長は「生徒のことを考えると、九州大会を中止した上で各県の大会を延期し、実施する方がいいのではないか」と話す。各県から選手が集う九州大会の中止を決めたことで、県単位の大会の日程は「5月最終週あたりからの開催時期を3週間から1カ月ほど後ろに倒せる」という。

島根、鳥取、岡山、広島、山口の5県で構成する中国高体連は、各競技の中国高校大会を6月末まで開催時期をずらしながら実施する予定だったが、4月7日、全ての大会を中止するとホームページ上で発表した。7月以降の大会については、今後の感染状況を見ながら判断したいとしている。

東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、山梨、群馬、茨城の1都7県による関東高校大会は、5月と6月に予定している大会が中止となる方向。4月20日の高体連関東ブロック会議で正式に決まる見通しだ。

また、四国高体連も、6月に四国4県で行われる四国高校大会を予定通り実施するかどうか、4月22日の理事会・評議員会で協議する。大会事務局の高知高体連は「他ブロックの状況を見ながら判断したい」としている。

北海道高体連は「5月中旬までの大会は一切、自粛している。それ以降の大会は、現段階では開催予定」とする。

今夏のインターハイは、東京オリンピック・パラリンピックが同期間に開催予定だったため会場や宿泊施設の確保が難しく、全国21府県で分散開催することを決めた。通常の年より開催経費がかさむため、全国高体連は目標額7億円の特別基金を募って資金集めを急いでいるが、3月末現在で目標の1割にすぎない7200万円にとどまっている。大会中止の背景には、こうした苦しい台所事情もあるようだ。

インターハイの開催を秋に移すことも検討事項のひとつだが、全国高体連の奈良隆専務理事は「会場確保や選手の授業を考えれば、難しい」と話す。めどが立たない開催経費の調達も含め、厳しい状況を認めた上で、「春に続いて夏の全国大会もないまま高校での競技を終えなければならない生徒たちの気持ちを考えると、何もかも我慢しろと言うのは本当に心苦しい。生徒たちには何らかの形で試合をさせてやりたい」と、開催への道筋を探っている。

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