休校中の家庭学習、成果を学習評価に反映 文科省が通知

新学期に入っても各地の小中高と特別支援学校の臨時休校が続く中、文科省は4月10日、学校に登校できない児童生徒の学習指導について、▽家庭学習の成果を学習評価に反映することができる▽家庭学習で行った内容は、学習内容の定着を条件に、学校再開後に対面の授業で再度実施しなくても構わない――などとする通知を都道府県などの教育委員会に出した。

家庭学習の学習評価について説明する萩生田光一文科相

同通知は丸山洋司・文科省初等中等教育局長名で、4月10日付で発出された。

まず、臨時休校で学校に登校できない児童生徒に対する、学習指導の基本的な考え方として、「児童生徒が自宅などにいる状況でも、規則正しい生活習慣を身に付け、学習を継続するとともに、学校と児童生徒の関係を継続できるよう可能な限りの措置をとることが必要」と明示。そのために「家庭学習と、登校日の設定や家庭訪問の実施、電話の活用などを通じた教師による学習指導や学習状況の把握の組み合わせにより、児童生徒の学習を支援するための必要な措置を講じる」ように求めた。

次に、家庭学習の基本的な考え方について、「指導計画などを踏まえながら、教科書に基づく家庭学習を課すことが求められる」と指摘。「教科書と併用できる教材や動画などを活用した学習を組み合わせて行うことが重要」だとした。また、1日の学習のタイムスケジュールや1週間の学習の見通しなどを示し、「可能な限り計画性を持った家庭学習を促す」よう求めた。

家庭学習の具体的な内容として▽教育委員会や学校作成のプリントを活用した学習▽NHK Eテレなどのテレビ放送を活用した学習▽教育委員会や教科書発行者などの民間事業者が提供するICT教材や動画を活用した学習▽文科省HP「子供の学び応援サイト」に掲載されている教材や動画を活用した学習▽パソコンやタブレット端末による個別学習が可能なシステムを活用した学習▽一定のテーマについてインターネットを活用して調べまとめる学習▽テレビ会議システムなどを活用した、教師による同時双方向型のオンライン指導を通じた学習――を例示した。

こうした家庭学習の学習評価への反映については、「指導計画などを踏まえながら家庭学習を課し、教師がその学習状況や成果を確認し、学校における学習評価に反映することができる」と明示。実際の学習評価にあたっては「児童生徒の発達の段階や活用する教材を踏まえ、適切に組み合わせて行う」ことを求めた。

学習状況や成果を把握する方法の例として、▽ワークブックや書き込み式のプリントの活用▽レポートの作成およびそれに対する教師のフィードバック▽ノートによる、学びの振り返りの記録▽登校日における、学習状況を確認する小テストの実施――を挙げた。

また、臨時休校を行った場合、指導要録上の「授業日数」には含めないものとして扱い、登校できなかった児童生徒については「欠席日数」として記録しないとする学校再開ガイドラインを確認。学校再開後に児童生徒が濃厚接触者に特定されるなど、学校に登校できなかった場合にも「欠席日数」として記録しない。

学校再開時には、休校によって登校できなかった生徒に、補習や家庭学習などを適切に講じることを求めた。必要に応じて▽時間割編成の工夫▽学校行事の精選▽夏休みなど長期休業期間の短縮▽土曜日の授業実施――などを行うよう促している。

その上で、特例措置として、学校が課した家庭学習が必要な要件を満たし、児童生徒の学習状況や成果を確認した結果、学習内容が定着し、再度指導する必要がないと学校長が判断したときには、学校再開後に家庭学習で実施した内容について、「再度学校における対面指導で取り扱わないこととすることができる」と明記した。

この際の家庭学習の要件として▽教科などの指導計画に照らして適切に位置付けられる内容であること▽教師が家庭学習における児童生徒の学習状況や成果を適切に把握できること――の2点を挙げている。

萩生田光一文科相は4月10日の閣議後会見で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、「(学校現場では)家庭学習のメニューをいろいろ用意していると思う。紙ベースでやって担任の先生が確認するものもあれば、電話で確認するものもある。ICT環境が進んでいてオンライン授業ができる自治体もあるだろう。そこまで進んでいなくても、端末を利用してYouTubeの授業を児童生徒が閲覧し、提出物をきちんと出すのもあると思う。いずれも、学習の評価に反映できるようにしていきたい。ただし、きちんと習熟ができているか、(教員に)チェックしてもらう必要がある。(家庭学習と教員の)組み合わせで一定の評価ができるようにしたい」と話した。

滝波泰・初等中等教育局教育課程課長は「家庭学習の扱いは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例と考えており、標準授業時数にはカウントされない。家庭学習を行い、学習内容がしっかり子供の身に付いたという確認がとれれば、それを学習評価に反映することができるという扱いだ」と説明した。標準授業時数については「すでに弾力的に運用するよう通知しており、休校の長期化で授業時数が少なくなっても進学や進級は可能」としている。

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