改正著作権法を28日に施行 感染症対策で遠隔授業推進

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染拡大が深刻さを増す中、小中高生や大学生らがインターネットを使って自宅で授業や講義が受けられる遠隔授業の環境整備を急ごうと、政府は4月10日、改正著作権法を同28日に施行する政令を閣議決定した。教師だけがいる教室から自宅にいる児童生徒や学生らに、授業の様子や講義資料をリアルタイムで送信することなどができるようになる。

教科書に載っている文章や問題、音楽などの著作物を遠隔授業で使う教材としてインターネット上で配信するには、著作権者の許諾を得る必要があった。ICTを活用した授業に支障をきたすことから、「授業目的公衆送信補償金制度」を盛り込んだ改正著作権法が2018年5月に成立。著作権にかかわる補償金などの詳細を詰めた上、3年後の21年5月までの施行を目指していたが、新型肺炎の感染拡大により、多くの自治体で臨時休校期間が延長され、遠隔授業に取り組む学校が増えているため、緊急的な措置として計画を1年間前倒しし、大型連休前の施行を決めた。

改正法ではこのほか、録画した授業の映像や講義資料を、リアルタイムではない「オンデマンド」で送信することや、授業の予習、復習用の資料をメールで送信することなども可能になる。

制度の利用にあたって、改正法では文化庁の指定した管理団体に補償金を支払うことを前提としているが、指定管理団体となった「授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)は、新型肺炎感染拡大の非常事態にある今年度は特例措置として、補償金を無償とする方針を決めている。

加えて、新型肺炎感染拡大により休校期間を延長している学校では、大型連休最終日の5月6日まで、それぞれの学校で採択した教科書に記載されている文章や問題などを使って遠隔授業を行う場合、オンラインで生徒らの自宅へ送信する授業の動画やプリントなどを無償で使えるよう、文科省が4月9日、各教科書発行者に改めて要請した。

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