ICT議連 EdTechや授業時数で文科省に対応促す

教育のICT活用を推進する国会議員が超党派で参加する「教育における情報通信(ICT)利活用促進を目指す議員連盟」の2020年第2回総会が4月15日、参院議員会館でWEB会議として開かれ、今年度補正予算案に盛り込まれたGIGAスクール構想について、集中的な議論を行った。席上、文科省は前年度末までに全国の959自治体からGIGAスクールの交付申請があったと明らかにした。議員からは「EdTechを活用した学びに対し、成績評価に道を開くべきだ」「標準授業時数の見直しについて、中教審に諮問して前向きな方向性を出すべきだ」などとの指摘が続出し、文科省に1人1台時代に向けた対応を促した。

議員連盟総会であいさつする会長の遠藤利明衆院議員=WEB会議

会合ではまず、議連の会長を務める遠藤利明自民党衆議院議員が「令和2年度補正予算案が成立すれば、全ての小中学生がタブレットやパソコンを学校と家庭で使えるようになる。これを機会に、日本を『ICT教育大国』にしたい」とあいさつした。

続いて、GIGAスクール構想の現状について、文科省の矢野和彦官房審議官(初等中等教育局担当)が「構想は地域間格差の是正が一番大きなコンセプトだったが、今回の補正で前倒しされて一気に進むことになり、誰一人取り残さない教育を行うことが大きな意味として構想に加わった。新型コロナウイルス感染症によるピンチをチャンスにして、家庭と学校をつないでいきたい」と説明した。

文科省が提出した資料によると、2019年度補正予算に盛り込まれたGIGAスクール構想について、補助金交付の申請があった全国の959自治体に交付を決定した。申請数は、全国で1700を超える自治体の6割に満たないが、文科省では準備が遅れている自治体を対象に、追加で申請を受け付ける機会を用意するとしている。

髙谷浩樹・文科省初等中等教育局情報教育・外国語教育課長は「自治体から補助金の金額では整備できないとの問い合わせが多く、整備内容の見直しを助言した」と説明。1校当たり平均34教室の整備を目指した自治体で1校平均1874万円だった見積額が、文科省が派遣したICT教育活用アドバイザーの助言によって、699万円まで減額できた事例などを紹介した。

議員との質疑では、馳浩衆院議員(元文科相)が「EdTechの成績評価のあり方を考える必要がある。不登校の児童生徒を支援する側面もある。文科省は家庭学習を成績評価として認めると通知を出したが、今後、中教審に提案してEdTechの成績評価に道を開くべきではないか。また、標準授業時数のあり方について、中教審に諮問して前向きな方向性を出すべきではないか。1人1台の端末を持ち帰りができるようになるだけではなく、その先に続ける取り組みが大切だ」と指摘した。

これに対し、矢野審議官は「4月10日付の通知は、学校の指導をきちんと踏まえた家庭学習を学習評価の対象にしたもので、EdTechを学習評価に加えたわけではない。中教審に対する諮問には、すでに標準授業時数のあり方も含まれているので、あわせて検討したい」と答えた。

これに対し、馳議員は「今回の補正予算で1人1台端末が整備され、家庭に持ち帰りもできるようになれば、校務支援システムと連携させて教員の働き方改革にもつながり、学習成果をビッグデータとして活用できるようにもなる。予算の効率化にもつながる。文科省はもっと強く言ってもいいのではないか。EdTechを先に導入した自治体のデータを公表して、現場にとっても効率がいい教育ができることをきちんと示すべきだ」と踏み込んだ。

髙谷課長は「根本には自治体の対応があり、いままで理解してもらえなかったところもある。今回は働き方改革や校務も含めて、積極的に取り組んでいきたい」と答えた。

続いて、城井崇衆院議員は「新型コロナウイルス感染症は長引くかもしれない。これまでの頭を切り替え、デジタル中心の学びに取り組むべきではないか」と指摘した。

これに対し、矢野審議官は「教師と児童生徒の対面学習という義務教育の原則を崩すつもりは、文科省にはない。この緊急事態が長引くかもしれないが、どう教師と児童生徒の距離を近づけるのか、デジタル機器も活用して考えていきたい」と説明した。

教育における情報通信(ICT)利活用促進を目指す議員連盟は、自公など超党派の国会議員で構成され、昨年施行された「学校教育の情報化の推進に関する法律」を議員立法として成立させる母体となった。

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