あしなが育英会 新型コロナで全奨学生に緊急一時金

病気、災害、自死などで親を失った子供らを支援する「あしなが育英会」は4月16日、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う休業や失職などで、生活難に陥る遺児家庭を支援するために、高校から大学院までの全奨学生約6500人を対象に、「遺児の生活と教育の緊急支援15万円」の交付を決定した。支援総額は約10億円となる。

あしなが育英会の緊急一時金について発表する岡﨑祐吉事務局長

入金口座を登録済の2年生以上約5000人には4月中の送金を目指し、新1年生約1500人には、入金口座の登録作業が完了し次第の送金を予定している。

「あしなが育英会」はこれまで、1995年の阪神・淡路大震災と2011年の東日本大震災の発生時にも緊急一時金を交付しているが、過去2回は自然災害で被災した遺児家庭に対して行っており、全奨学生を一律支援するのは初めて。

遺児家庭の家計を支える母親の多くは、中小零細企業や飲食店などで不安定な雇用条件で働くケースが多く、同会が高校3年生の奨学生を持つ母親533人を対象に実施した緊急アンケート(回答率50.8%)では、新型肺炎の影響によって「契約を切られた」「食費がない」「もう、路上生活をするしかない」「勤め始めたばかりで、いつ解雇されるか不安」――といった切迫した声が寄せられた。

「あしなが奨学金」は、毎年春と秋に奨学生やボランティアの高校生らが全国の街頭で実施する「学生募金」に支えられているが、今年4月に予定されていた学生募金は新型肺炎拡大の影響で中止を余儀なくされるなど、財政面では厳しい状況にある。しかし、同会はそうした遺児家庭の声を受け、奨学金を安定交付するための積立金を取り崩してでも、「今を生き延びてもらうため」の緊急一時金交付を決定したという。

同会では、学生募金中止により多大な資金不足が発生しているとして、一人でも多くの遺児を支えるために継続的な支援をホームページなどを通じて呼びかけている。

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