【コロナと学校】文科省、家庭学習でのBYOD活用を通知

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの学校が臨時休校を続ける現状を受け、文科省は、緊急事態宣言の対象地域となった自治体に対し、「児童生徒の学びの保障に効果的」だとして、家庭学習にICTを積極的に活用するよう求める通知を出した。具体的な手段として、家庭で所有しているパソコンやタブレットを家庭学習に活用するよう明記した。個人所有のパソコンやタブレットを学習に活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」について、文科省はこれまで児童生徒による悪用や乱用、家庭間による格差などへの懸念から慎重に対応してきたが、対象地域では臨時休校の長期化も予想されるため、踏み込んだ対応を学校現場に求めた。

通知は4月10日付で、髙谷浩樹・文科省初等中等教育局情報教育・外国語教育課長名で、緊急事態宣言の対象となった7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)の教育委員会に宛てて出された。4月15日に開催された、超党派議員による「教育における情報通信(ICT)利活用促進を目指す議員連盟」の総会でも報告された。

通知では、臨時休校期間中には「あらゆる機会にICTを最大限に活用することが子供たちの学びの機会の保障に効果的である」と、ICTの活用を強く推奨。「家庭においてもICT を積極的に活用」するよう促した。

続いて、家庭学習にICTを活用する具体的な手段について、4項目を挙げた。

まず「家庭でパソコン・タブレットを所有している場合には、児童生徒の家庭学習にもそれを活用する」と明記。児童生徒による悪用や乱用を回避するため、「情報モラルや健康への影響などにも保護者が十分留意」するよう促した。また、家庭間による格差への配慮として、「教育委員会や学校において端末の貸し出しや代替措置を講じるなど、家庭にパソコンやタブレットがない児童生徒の学びに十分配慮すること」を求めた。

第2に「家庭にWi-Fi環境などがない場合、保護者や児童生徒などが使用する家庭のスマートフォンなどを活用できる場合には、それを通信手段として活用する」とした。スマートフォンの通信料が多額になる恐れがあることから、総務省の要請を受けて、各通信事業者が公表している支援措置を活用するよう促した。また、通信事業者による支援措置の利用は、学習目的に限るよう保護者や児童生徒に周知することも加えた。

第3に「学校で既に整備されている端末を持ち帰って活用することが可能な場合には、積極的に持ち帰りを推奨して活用すること」を挙げた。情報セキュリティーの確保やアクセス制限、家庭における端末の適正管理なども促した。家庭に通信環境がない児童生徒の学びにも十分配慮するよう求めている。

最後に「早急に学校で端末の整備を行う希望がある場合には、緊急事態宣言が発出された翌日以降に契約した事業は、交付決定前であっても補助対象とする」として、緊急事態宣言の対象となった自治体にICT環境の整備を急ぐよう求めた。

政府の緊急経済対策では、全国の小中学校に1人1台端末を年度内に整備することが打ち出され、必要経費として2292億円が今年度補正予算案に盛り込まれた。補正予算案は4月20日ごろから国会で審議が始まり、政府与党は大型連休前の成立を目指している。

こうした動きを先取りして、文科省の通知では、緊急事態宣言が出された以降に契約した事業の経費をGIGAスクール構想による補助金の支給対象にすることを明記した。

文科省が4月10日現在で集計した調査によると、緊急事態宣言の対象となった7都府県では、公立と国立の小中高の学校は全て休校となっている。

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