【入試改革】 能力を多面的に評価する「丁寧な入試」を

大学入試改革の一環として、受験生の能力をいかに、さまざまな角度から評価するかを協議する文科省の「大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議」が4月17日、2回目の会合となるWEB会議を開いた。大学の学長など学識経験者らが務める委員のうち、関西学院大の巳波弘佳・学長補佐が「多人数を1点刻みで機械的にふるい落とす入試から、一人一人の能力を見つめる丁寧な入試への転換が必要」と提言。佐賀大学アドミッションセンター長の西郡大委員は、受験生の高校時代の活動を自己申告で入試に加点する佐賀大の先進的な取り組みを紹介するなど、ペーパーテストでは測れない受験生の主体的な取り組みを評価したいとする発言が相次いだ。

オンラインでつなぐWEB形式で行われた協力者会議

会議は文科省高等教育局大学振興課と委員たちをオンライン映像で結ぶWEB形式で行われ、委員のうち3人が発表し、質疑応答した。

発表者のうち、福岡県立大の柴田洋三郎理事長・学長は「大学入試には定員管理のための選抜機能と共に、入学後の教育を担保する学力把握の役割がある」とした上で、「日本には1点刻みの入学試験が公平、公正という考えが根強くあるが、入学後の追跡調査では、専門科目の成績は、むしろ入学初年時に学んだ科目や高校の成績と相関性がある。改めて、高大接続の重要性が指摘されている」と述べ、ペーパーテストに頼る合否判定ではなく、高校との十分な連携が必要との認識を示した。

佐賀大学アドミッションセンター長の西郡大委員は、佐賀大での先進的な取り組みを発表した。佐賀大では理工学部と農学部で2019年度の入試から、希望する受験生に高校などで自身が熱意をもって取り組み、成果を上げたことを文章にまとめて申請させ、学力テストの点数に加点して合否判定につなげる「特色加点制度」を導入している。

部活動や生徒会活動、留学などで身に付けた能力、スキルや経験などが大学入学後の学習や活動にどう生かせるかを、400字以内で記述してもらう。加点するのは学力テストを含めた全得点の2%から7%ほど。申請するかどうかはあくまで受験生の任意で、提出しない受験生もいる。提出した受験生全員の評価は困難なため、学力テストで合否が分かれるボーダーラインの数点差にいる「合格ボーダー層」に加点しているという。

「従来だと合否がテストの数点差で分かれるが、学力の明確な相違はない。それならば、違う面を評価したらどうか」と、西郡委員は説明した。

関西学院大の巳波弘佳・学長補佐は「高校が提出する従来の調査書の記載内容では、生徒が具体的に、どのような取り組みをしたのか判断できない」とし、電子調査票や、教育情報管理機構が運用し、生徒が自身の活動について入力、蓄積する「JAPAN e-Portfolio(ポートフォリオ)」のデータなども活用すべきだとした。より丁寧な評価を、より効果的に行うため、ICTの活用が有効だと強調。「一人一人の生徒の取り組みにスポットを当て、調査書だけでは評価されないような生徒の多様な取り組み」を入試に反映させたいと述べた。

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