【コロナと学校】AO入試・推薦入試 「募集遅らせる必要」

緊急事態宣言の対象が全国の都道府県に拡大され、臨時休校する学校が一段と増える見通しとなった事態を受け、萩生田光一文科相は4月17日の閣議後会見で、大学入学者選抜を巡り、「受験生を第一とした立場で措置を講じていくことが重要」と述べ、大学側に配慮を求める考えを表明した。その上で、AO入試や推薦入試について「募集の時期を遅らせる必要がある」との認識を明らかにした。

大学側に受験生への配慮を求めた萩生田文科相

萩生田文科相は、記者団との質疑の中で、大学入学者選抜について、「各大学が自主的に行うものだが、新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休校が続く中、事態の重大性や緊急性に鑑み、文科省としても、何よりも受験生を第一とした立場で配慮し、措置を講じていくことが重要と考えている」と切り出した。

続けて、「当面は、9月以降に出願が始まるAO入試や、11月以降の推薦入試で、受験生が大きな影響を受けることが予想される」と指摘。「中止や延期となった各種の競技大会、文化活動などに参加できなかったことや、あるいは出席日数や特別活動の記録が少ないことで、高校における部活動など実績の評価や、調査書で特定の受験生が不利益をこうむることがないように、各大学に配慮してほしい点などを速やかに検討したい」と述べ、文科省としてAO入試や推薦入試について具体的な項目を挙げて大学側に受験生への配慮を要請する考えを示した。

さらに「まだ省内でまとめたわけではない」と前置きした上で、「(大学を所管する)高等教育局には、AOや推薦入試の募集の時期を遅らせる必要があるという問題意識を伝えた。これは全国で起こっている大変な事態だ。私立大学には経営の問題もあるだろうが、従来通りのスケジュールで入試をやることが本当に子供たちにとって、学校にとってもいいことなのか、一緒に考えてほしい」と提起。

具体的な例として「もしスポーツの全国大会ができないとすると、スポーツ推薦の学部で全国大会出場などが要件とされている場合、対象となる子供たちがいなくなる可能性がある。それを2年生の成績で判断しろと言えば、2年生でレギュラーだった子供はごく少数だろうから、非常に判断が曖昧になる」と説明した。

その上で、大学側への要請として、「例年通りの試験内容で、調査書1枚で判断するのではなく、本人との面接などを加えるなど、丁寧な対応をしてほしい」と述べた。

臨時休校の長期化や競技大会、文化活動などの中止を受け、高校3年生などに不安が高まっているとの指摘は、高校関係者を中心に急速に広がっている。4月14日に開かれた文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」の第5回会合では、「学校は閉鎖になり、部活動も中止。この生徒たちをどう救うのか」(吉田晋・日本私立中学高等学校連合会会長=富士見丘中学高校長)、「新学期になっても休校が続くことになり、進級したばかりの高校3年生は、就職も含めて、この先どうなるのか非常に懸念している」(萩原聡・全国高等学校長協会会長=東京都立西高校校長)との声が相次いだ。

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