【コロナと学校】「全国の休校やむなし」 ガイドラインも改訂

新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が全国の都道府県を緊急事態宣言の対象地域としたことを受け、萩生田光一文科相は4月17日の閣議後会見で、「今後は全ての都道府県知事が学校施設の使用制限を要請することが可能となる。現実問題として休校を判断するのもやむを得ない」と述べた。文科省は臨時休校ガイドラインを再び改訂し、学校施設の使用制限がなくても都道府県知事から要請があった場合に臨時休校を判断する指針を示した。萩生田文科相は、臨時休校を判断する際、「学びの保障についても十分配慮することが必要」と強調。休校期間中、一部の自治体では、学校と児童生徒の連絡や生活状況の把握が不十分になっていると懸念を表明した。

「休校もやむを得ない」と話す萩生田光一文科相

改訂された臨時休校ガイドラインは4月17日付で、藤原誠文科事務次官名で都道府県の教育委員会や知事に対して出された。緊急事態宣言が出された都道府県では、新型インフルエンザ等対策特別措置法の第45条2項による学校施設の使用制限だけでなく、同法第24条7項に基づいて教育委員会に必要な措置を講じるよう要請でき、事実上の協力要請が行われる可能性もあることから、こうした場合の対応を追加した。

具体的には、第24条7項に基づく要請や事実上の協力要請があった場合には、地域や児童生徒の生活圏(通学圏や発達段階に応じた日常的な行動範囲など)におけるまん延状況を踏まえ、都道府県の衛生主管部局の見解を踏まえて、臨時休校を判断するよう求めた。判断の際には、子供の学びや心身の健康の保持や増進に十分に留意するよう明記している。

萩生田文科相は、緊急事態宣言の対象が全国に拡大したことについて、「各地域での対応は都道府県対策本部で判断することだが、都市部からの移動でクラスターが発生しており、さらなる『行動変容の協力』が求められること、10代以下の感染者が増えていることなどを踏まえると、現実問題として学校の休校を判断するのもやむを得ないと思う」と述べた。

続けて、「臨時休校するときには、学びの保障についても十分配慮することが必要であることは言うまでもない」と指摘。「一部の自治体や学校では、急な入学式の延長などにより、児童生徒の手元に教科書が届けられていない、プリントなどを配布するだけになっており、『家庭学習の状況を把握できていない』『新学期開始以降、児童生徒や保護者と連絡をとっておらず、児童生徒の生活状況を把握できていない』などの例もあると聞いている」と例示した上で、「このような状況が続けば、自治体や学校によって取り組みに違いが生じることを懸念している」と厳しい表情をみせた。

さらに「文科省として、子供たちの学びの保障を家庭任せにせずに、全ての自治体で考えられる最善の取り組みを行うよう要請したい」と表明。近く新たな通知を出す考えを示した。

また、記者団から国として一斉休校を要請するか問われたのに対し、「すでに法律によって緊急事態宣言が全国に出された。今後の学校施設の在り方は、都道府県対策本部、知事の判断によって行われる。文科省としては、要請することは現時点では考えていない」と答えた。

萩生田文科相は改めて児童生徒に教科書が届いていない自治体がある現状に触れ、「教育関係者はフリーズをしてはいけないと思う。学びを止めてはならない」と強調。「春休みから(休校が)ずっと続いていて、担任の先生から電話1本もこない状況だとすれば、子供たちも保護者もすごく不安になると思う。すでに課した学習課題について、どういう進捗(しんちょく)状況なのか、元気で頑張っているのか、学校関係者は在宅からでも結構だから、子供たちにコンタクトをとり、確認してもらいたい。学校現場は立ち止まらないでほしい」と、全国の教員にメッセージを送った。

文科省の4月10日時点の調査によると、先に緊急事態宣言の対象となった7都府県では、公立と国立の小中高は全て休校となっており、全ての都道府県が緊急事態宣言の対象となったことで、臨時休校を行う学校はさらに増えるとみられている。

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