【コロナと学校】休校中の対応に苦慮 学習指導の状況調査

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡大により、多くの学校で臨時休校が続く中、文科省は4月21日、全国の公立小中高や特別支援学校で学習指導がどう行われているか、4月16日時点での調査結果を取りまとめた。臨時休校中にテレビ放送やデジタル教材、教育委員会が作成した授業動画などを使った家庭学習に取り組むとした自治体は7割にとどまり、休校中の登校日を設けない自治体が半数を超えるなど、休校中の対応に苦慮している現状が浮かび上がった。

4月16日以降に臨時休校を続けると回答した自治体は、全国1700超の市町村の7割に当たる1213市町村に上り、臨時休校を続ける公立小中高や特別支援学校の総数は2万5223校に達した。

臨時休校中、教科書や紙の教材を活用した家庭学習には、回答した全自治体が取り組んでいるが、「同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習」を実施する方針としたのは60市町村で、臨時休校を続ける自治体のわずか5%にとどまった。

複数回答もある中で、24%に当たる288市町村が「テレビ放送を活用した家庭学習」、10%に当たる118市町村が「教育委員会が独自に作成した授業動画を活用した家庭学習」、29%に当たる353市町村が「テレビ放送、教育委員会が独自に作成した授業動画以外のデジタル教科書やデジタル教材を活用した家庭学習」を実施する方針だと回答した。

臨時休校中の登校日については、「設定している」と回答したのは38%に当たる463市町村にとどまり、「設定中はないが、今後設定する予定」としたのが7%に当たる80市町村で、55%に当たる670市町村が「設定中も設定予定もない」とした。

登校日を設定している市町村の、登校日の取り組みとしては、複数回答のうち、92%が学習状況の確認や補習などの「学習指導」を挙げ、73%が「生徒指導」、96%が「児童生徒の健康観察」、60%が「教科書・教材の配布」、5%が「昼食の提供」を実施する方針だとした。登校日を設ける頻度については、「週1回未満」が39%、「週1回程度」が49%、「週2回程度」が8%、「週3回以上」が2%、「未定」が3%だった。

登校日以外の児童生徒への学習支援については、複数回答のうち、「家庭訪問の実施」が65%に当たる789市町村、「電話・FAXによる連絡」が84%に当たる1015市町村、「郵送による連絡」が20%に当たる241市町村、「電子メールによる個別の児童生徒・家庭への連絡」が16%に当たる191市町村で、「同時双方向型のオンラインシステムを通じた連絡」は5%に当たる56市町村にすぎなかった。

「一斉メールによる各学校・学年の全児童生徒、家庭への連絡」は82%に当たる994市町村、「教育委員会や学校などのホームページなどを通じた連絡」は68%に当たる826市町村、「児童生徒が利用可能な相談窓口の周知・設置」は20%に当たる243市町村だった。

文科省健康教育・食育課は「児童生徒に個別のフォローが十分にできていない。休校中に子供の状況を把握することは、工夫しながら実施してほしい」と課題を挙げた。

4月20時点での教科書の配布状況は、95%に当たる1148市町村が「全ての学校で児童生徒に給与ずみ」と回答したが、残る5%の65市町村は「児童生徒に未給与の学校がある」とした。

新年度の教科書をもらえていない児童生徒がいる自治体が、臨時休校を続ける市町村のうち5%に上ることについて、文科省教科書課は「教科書は通常であれば入学式や始業式に配る。その入学式や始業式が延期され、登校日の設定も遅れて、配れないままでいる学校があるようだ」と説明。こうした自治体に対しては、教育委員会を通じ、速やかに配るよう求めているとした。

臨時休校を実施する場合の子供の居場所確保については、59%に当たる717市町村が「実施している」とした。「実施中はないが、今後実施する予定」は4%に当たる45市町村、「実施中も実施予定もない」が37%に当たる451市町村だった。ただ、放課後児童クラブなど、学校以外が設置主体となって行う居場所確保の施策は除いた回答だとした。

居場所確保の対象は複数回答で、「保護者が医療従事者である児童生徒」が31%、「社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な保護者の児童生徒」が44%、「ひとり親家庭などで保護者が仕事を休むことが困難な児童生徒」が59%、「障害があることにより1人で過ごすことが困難な児童生徒」が49%、「対象を限定していない」が20%だった。

居場所確保での学校施設の活用状況については複数回答で、「校庭を活用」が70%、「体育館を活用」が54%、「教室を活用」が94%、「図書館を活用」が73%、「その他の施設を活用」が11%だった。学校給食の調理場や調理員を活用するなどして昼食を「提供する」としたのはわずか4%で、大半の96%が「提供しない」と回答した。

臨時休校中の教職員の体制については複数回答で、「ICTを活用するものに限る在宅勤務」が23%、「ICTを活用するものを除く在宅勤務」が51%、「時差出勤」が32%、「特別休暇の取得」が63%、「職務専念義務の免除」が30%だった。

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