再開後の学校に協力を 文科相が退職教員にメッセージ

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡大により、全国各地の小中高で臨時休校が続く中、萩生田光一文科相は4月21日、全国の退職教員に向けて、学校再開後に学習指導員などとして教員の役割を補完してもらうよう、積極的な協力を呼び掛けるメッセージを出した。児童生徒が家庭で学習した内容をしっかり理解しているかどうか、学校再開後に補習授業もしながら確認しなければならないとし、現職教員の過重負担を避けるため、学校現場の経験豊富な退職教員の協力を得ながら、きめ細かな指導につなげたいとしている。

退職教員の役割の大きさを説明する萩生田光一文科相

萩生田文科相は4月14日の閣議後会見で「児童生徒の学習機会の保障に社会総がかりで取り組んでいくことが重要だ」と述べ、学校再開に当たっては教員の加配のほか、全国で約2万人の学習指導員を確保するための経費を本年度補正予算に盛り込んだと説明。学校現場の指導者を増やして、授業の遅れを取り戻す補習や、感染防止のための少人数指導につなげたいとした。

21日の閣議後会見では「本来の授業だけでは間に合わなくなる。土曜日や夏休みの一部を利用して授業を行い、平日の放課後には補習をするなどして、しっかりカバーしていかなければならない」との認識を示し、「現職の教員だけでは負担が大きい。OBの皆さんも含めて、マンパワーを一気に現場に入れていきたい」と強調した。

萩生田文科相から退職教員に協力を求めるメッセージは「教職を一度退職された先生方へ ご協力のお願い」と題したもの。「再開された後の学校現場では、これまで経験のない状況下において、休業中の学習の遅れを踏まえた補習の実施や、長期休業の影響で生活リズムが崩れた子供たちへの支援、障害等により特別な支援が必要な子供たちへの支援、配慮が必要な家庭の子供たちに対するきめ細かな支援など、これまで以上に教職員が一丸となって子供たち一人ひとりと向き合い、きめ細かな支援や配慮を続けていかなければなりません」と、学校再開後に待ち受ける難題を挙げ、「子供たちや学校のことをご理解されている先生方からのご協力があれば、学校現場は勿論、子供たちや地域・保護者の皆様にとっても安心感は大きく、大変心強いと思います」と、長期休校を余儀なくされた子供たちのための人材活用であることを強調した。

その上で、「遠方の市町村に無理に行っていただく必要はなく、お住まいの市町村や近隣の学校における人材募集等の際には、是非ともご協力をお願いいたします」と呼び掛けた。

萩生田文科相のメッセージに合わせる形で、文科省は都道府県、政令指定都市の教育委員会に向け、同日付で退職教員の積極的な活用に際しての事務連絡を通知した。退職教員が参画しやすいように、勤務先選定の際には居住地の近隣の学校への勤務となるよう配慮することや、勤務時間が長時間とならないよう、1日当たりの勤務時間を短くしたり、週当たりの出勤回数を少なくしたりするなど、雇用形態を工夫してほしいと要望した。

退職教員だと失効していることが懸念される教員免許状については、個人の学習状況に応じた放課後などの補習や、教員の下でのチーム指導、感染防止のために少人数に分けた学習の見守りなどでは、必ずしも教員免許状を保有している必要はないとした。その上で「非常時・緊急時という特質も踏まえ、必要に応じて資格要件を緩和し、幅広く人材確保できるよう、留意いただきたい」と積極的な活用を求めた。

同省は同日付で、全国教職員互助会、全国連合退職校長会など、退職教員とつながりのある関係団体にも、各教育委員会と連携した人材確保への協力を要請した。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集