【コロナと学校】女子ハンド部がオンライン部活に挑戦

オンライン部活を1カ月半、やってみたら——。新型コロナウイルス感染症の拡大防止の目的で、政府が全国の小中高と特別支援学校に臨時休校を要請してから、もうすぐ2カ月がたとうとしている。各自治体や学校ではオンライン授業を推進するなど活発な動きがあるが、教育課程外にある部活動に関してはどうだろうか。公文国際学園中等部・高等部(横浜市)の齋藤亮次教諭は、休校措置後の3月初旬から、顧問を務める高校女子ハンドボール部でオンライン部活を始めた。オンライン部活をどのように始め、軌道に乗せていったのか。見えてきた課題や、生徒のモチベーション維持につながっているという取り組みについて、齋藤教諭とキャプテンの横幕円香さん(同高校3年)に聞いた。

最低限、つながる場を継続的に持つ
Zoomで取材に応じる齋藤教諭とキャプテンの横幕さん

同校高等部の女子ハンドボール部は、部員11人。臨時休校に入ったのは2月末だが、その前から試験期間中で部活動はオフに入っていたため、部員と何も話し合えることができないまま、休校に入ったという。

「いつから部活を再開できるのか先が見えない状況で、技術的なことや体力的なことはもちろんのこと、気持ちが離れていってしまうことが怖いと思った」と齋藤教諭は話す。「高校3年の部員にとっては、引退試合も無くなってしまうかもしれないという切実な問題があった。中学1年生から続けてきた部活動を、やってきて楽しかったし、成長できたという体験にしてほしい」との思いから、オンライン部活の実施へ動き出した。

齋藤教諭とキャプテンの横幕さん、部長で話し合った結果、「最低限、つながる場を継続的に持とう」と、3月初旬からオンラインミーティングを始めることにした。

Zoomで週1回のオンラインミーティング

まずは「調整さん」という日程調整ツールを活用し、部員全員のスケジュールを調整。ビデオ会議ツールの「Zoom」を使って週に1回程度のオンラインミーティングを行っている。なお、Zoomでの顔出しは強要しないようにしている。

オンラインミーティングは毎回1時間程度。部員の健康状態を確認し、どのようにトレーニングを進めていくかを話し合ったり、筋力トレーニングを行ったりしている。

ミーティングは、キャプテンと部長が中心となり進行しているが、横幕さんは「Zoom上で顔を出す子と出さない子がいるから、最初はみんなにちゃんと伝わっているのかなという不安があった。なかなか発言できない子もいた」と振り返る。

そこで齋藤教諭はZoomの「ブレークアウトセッション」という機能を活用し、3~4人の小グループでの活動を取り入れてみた。すると、ミーティングは一気に活発になった。横幕さんも「小グループだと一人一人とコミュニケーションが取りやすくなったので、ぐんとやりやすくなった」と話す。

齋藤教諭は「普段やってうまくいくような方法を、オンラインでもやってみるといいと思う」とアドバイスする。

オンラインミーティングでの筋力トレーニングについては、「体幹を鍛える」「下半身を鍛える」などテーマを設け、トレーナーにも相談しながらメニューを決めて行っている。

また、オンラインミーティングに加え、Googleフォームを活用して日々の活動記録を共有する取り組みも行っている。齋藤教諭が毎日、生徒たちが取り組んだ成果をExcelで画像データにし、フィードバックしている。

目的は生徒を孤立させないこと

オンライン部活での難しさについて齋藤教諭は「普段の部活動だと直接顔を合わせているので、生徒のちょっとした変化にも気付くことができ、その場で軌道修正できる。しかし、オンラインだと情報量が減るので、そこが難しい」と話す。

また、オンラインミーティング以外の日は各自の主体性に任せることになるが、「生徒の主体性がそぎ落とされてしまうようなアプローチをすると、やらされている感が出てしまうので、逆効果になる」と注意を促す。

横幕さんはこの1カ月半のオンライン部活を振り返り、「ハンドボールはできないけれど、部活としてのコミュニティーは維持していこうとみんなで話し合った。自分たちに今できることはやれていると信じている」と話す。「1週間に1度でもみんなの声や姿が見えるのはすごく安心する。どんな形であれ、安心できる場を作ってもらえたら、生徒はうれしいと思う。今後はもっと部員が中心となってオンライン部活を進めていけたら」と展望を語った。

齋藤教諭はオンライン部活をやろうとしている教員へのアドバイスとして、「私がやっていることは場の提供だけで、全て生徒主体でやっている。Zoomを使ったり、Googleフォーム使ったり、それはあくまで手段にしか過ぎない。目的は生徒を孤立させないこと。最初から100%ではなくても、一歩踏み出すことが大切だ。小さくてもいいから、早くやり始めた方がいいと思う」と話した。

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