【入試改革】入試改革を考える会 文科相に要望書を提出

大学教授らでつくる「入試改革を考える会」(大内裕和代表)は4月23日、「入試改革を考える保護者の会」(若尾あゆ美代表)と連名で、「来年度の大学入試についての要望書」を萩生田光一文科相に郵送で提出した。高校や塾、予備校が休業し、高校生や受験生が思うように学習を進めることができない現状では、来年度の大学入試を予定通りに実施することは極めて困難だとして、入試の実施時期を遅らせることや、大学入試センター試験に代えて新しく実施される大学入学共通テストを来年度は中止し、個別テストのみで合否判定を行うことを検討するよう求めている。

要望書では、高校の休校が長引く中、「未習分野がある高校生の場合には自宅での学習で補うことはほぼ不可能で、オンライン授業などが施されていたとしても状況が大きく改善することはない」と指摘。「オンライン授業などにより学校の対面授業を完全に代替することは困難であり、そもそも休校している全ての学校で十全なオンライン授業が行われているわけではない」と懸念を表した。

その上で、来年1月16日と17日に実施が予定されている大学入学共通テストに間に合わせるため、年内に試験範囲の学習を終えることは難しいとして、「試験の実施時期を遅らせる」「出題範囲を限定して予定通りに実施する」「共通テストの実施は中止して、個別試験のみで合否判定を行う」ことのいずれかが必要だと指摘した。

ただ、新型コロナウイルス感染症の終息時期にめどが付いていない現時点で、具体的な措置を即座に決めることは難しいとの考えを示し、生徒らの不安を抑えるために現時点での可能な対応を早急にとってほしいと要望した。

具体的には、▽学校での授業は、通常の年度と同一の進行速度で全項目が実施されるよう配慮すること▽オンライン授業などを対面授業の完全な代替とは扱わないこと▽来年度の大学入学試験についても、どの受験生にも不公平が生じないように、あらゆる可能性を検討して実施すること▽そして、事前にそのような準備があることを公表すること――を求めた。

新型コロナウイルス感染症による長期休校の影響が大きい来年度の大学入試については、「共通テスト、学校推薦型選抜・総合型選抜、一般選抜の全てを考慮に入れた広い視野からの制度の調整が必要であり、その検討過程を可能な範囲で受験生・高校生も含めた全ての関係者・関係機関に随時公開していくことが、混乱や不安を最小限に抑えるために必要であると考える」とした。

入試改革を考える会はこの要望書に、静岡県立浜松北高の駒形一路教諭から寄せられた意見書も添えた。駒形教諭は「学校再開がさらに遅れると、一部の教科・科目では履修内容の欠落が現実味を帯びてくる。教科書が終わらない」と指摘。大学入学共通テストに関しては「大規模一斉試験の必須条件でもある公平性に鑑み、過年度生との履修状況の差や、都道府県・設置者の違いによる休校期間の差を踏まえ、履修時期の遅い分野(例えば日本史ならば現代史)については選択問題を設けて、その一部とするなどの配慮は必要であろう。しかるべき機関には、共通テスト受験予定者を抱える各校に対し、最大限履修が可能な範囲の調査を早急に行うよう求めたい」などと提言した。

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