学生の採用選考で会談 萩生田文科相と中西経団連会長

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡大を受け、全国の大学でも長期の休校が続く中、萩生田光一文科相と経団連の中西宏明会長が4月23日、テレビ会議を行い、就職活動に不安を募らせている学生が不利益を被らないように、採用試験を今年は複数回実施したり、オンラインでの企業説明会や面接を取り入れたりするよう企業側に協力を求めるなど、採用選考を柔軟に進めることを話し合って一致した。

中西経団連会長とのテレビ会議に臨む萩生田文科相(代表撮影)

テレビ会議ではまず、経団連と国公私立大学の学長らでつくる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が3月31日付でまとめた提言書の概要を、経団連の中西会長が報告。提言書では、新型コロナウイルスの感染拡大により、多数の学生が集まる合同企業説明会など各種の採用イベントが中止・延期となり、先行きも見通せないとして、「産学が連携して特段の配慮を行う」とした。

その上で、提言書は「企業側は学生の不安をやわらげ、幅広い情報と十分な採用機会を提供する観点から、現行の採用選考日程を基本としつつ、弾力的な採用選考活動を実施する」とした。具体的に企業側は▽WEB説明会など多様な通信手段を活用した企業説明の機会の創出▽エントリーシートの提出期限の延長▽オンライン面接の推進▽年間を通じた複数回の選考機会の確保――などに向け、最大限努力するとしている。

一方で大学側は「企業の柔軟かつ多様な広報・採用選考活動に関する適切な情報提供を行い、学生がいたずらに不安や焦りを感じることなく自身の職業やキャリアについて落ち着いて考え、就職活動に臨むよう支援を強化する」とした。

提言書ではこのほか、インターンシップ(就業体験)の見直しや、デジタルを最大限活用する「Society5.0」の教育についての課題を盛り込み、産学のさらなる連携強化が重要だとしている。

中西会長は「産学協議会のアクションプランということで、改善しなければいけないポイントも書いた。文科省と一致して進めていきたい。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の過程でいろいろと学生に直接関わる課題も出てきた。オンライン教育とかリモート教育とかも、これからどんどんやっていかなければと思っている」と、提言の実現に向けて、文科省の協力を求めた。説明を受けた萩生田文科相は「今後の施策の検討に当たり、十分に参考にさせていただきたい」と、前向きな検討を約束した。

萩生田文科相はまた、今年の大学生の採用選考について、「いつの段階で学校が再開できるのか、また、いつの段階で就職活動が堂々と外に出てできるのか、不安を持っている学生の皆さんに対し、今年はもう平時と違うのだから、ちゃんと一定の時間を持って採用しますよ、というようなメッセージを早めに各企業が出していただければ、少し安心感を与えることができるのではないかと思う」と、学生へのきめ細かな配慮を要望した。

24日の閣議後会見で、萩生田文科相は「今年の学生たちが不利益を被らないようにしてほしいと中西会長にお願いし、理解をいただいた」と述べた。インターンシップの見直しについては「学生が複線的にさまざまなチャレンジができて、自分に合う仕事を見つけられるような環境づくりを、文科省としては応援していきたい」との姿勢を示した。

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