【コロナと学校】富山の学校感染 「対策に影響の可能性」

富山市の公立小学校で複数の児童と教諭に新型コロナウイルスの感染が確認され、学校がクラスターになったとの見方が出ていることについて、萩生田光一文科相は4月24日の閣議後会見で、▽感染経路が明らかではない▽学校は臨時休校に入っており、感染の連鎖につながる可能性が低い――ことを理由として、「クラスターという認識は持っていない」との見解を示した。同時に、文科省が示している臨時休校ガイドラインなどの対処方針が、子供が感染拡大の役割をほとんど果たしていないとする専門家の見解を前提に組み立てられていることを念頭に、「本事案は今後の学校における感染症対策の在り方に影響を与える可能性がある」と言及。感染経路や学校の対応などを調査する考えを明らかにした。

記者会見する萩生田光一文科相

富山市によると、同市立神明小学校で、児童4人と20代女性教諭の計5人の感染が確認されている。15日に家族の感染で濃厚接触者となった男子児童の感染が確認され、市当局は男子児童のクラスメート全員と担任教員にPCR検査を行った。その結果、21日に担任の女性教諭、22日には男子児童と同じクラスの男子児童1人と女子児童2人の感染が分かった。女性教諭には一時発熱の症状があったが、児童は全員が症状は出ていないという。他の児童は陰性だった。

神明小学校では4月6日に始業式、4月7日に入学式を行ったが、市内の中学生に感染が確認され、13日から臨時休校を継続中。児童4人と教諭の感染確認を受け、厚生労働省はクラスターの疑いもあるとして調べている。

萩生田文科相は、こうした経緯を踏まえ、「今回の事例は、今後の学校における感染症対策の在り方に影響を与える可能性があると、私も思っている。厚労省と連携し、富山市ともしっかり確認したい」と述べた上で、「感染経路がよくわからない。在京テレビの報道では、もともと家庭内感染した子供から担任の先生、3人の児童へという矢印になっていたが、それもまだ定かではない」と現状を説明した。

文科省が神明小学校の事例に注目するのは、これまで子供は新型コロナウイルスの感染拡大にはあまり関係がないとみられ、それを前提に対応策を積み上げてきたことによる。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は4月1日付で示した状況分析・提言で、「子供は地域において感染拡大の役割をほとんど果たしていないと考えられている。従って、学校については、地域や生活圏ごとのまん延状況を踏まえていくことが重要である」と見解を表明。同省ではこうした専門家の知見を踏まえ、4月17日付で改訂した最新の臨時休校ガイドラインで学校運営上の工夫や臨時休校の判断を示し、さらには4月21日付の学びの保障を求める通知で登校日の設定や家庭訪問の実施などを含めた対応策を組み立ててきた。

萩生田文科相は「いままでの知見では、子供から子供へ感染した例は極めてまれだと言われていた。だが、もし子供から子供の感染があったとなると、新しい事例が出てくることになる。ここはよく調査をしたい」と説明。「例えば、クラス全員が一つの教室を使っていたのか、手洗いやうがいがどうだったかも検証してみなければいけない。感染予防や三密(密集、密室、密接)を避けた登校だったのかも含めてよく調査し、その上で対応を考えていきたい」と述べた。

臨時休校中の登校日の扱いについては、「少しでもリスクがあれば、登校日などもやめたほうがいいと自治体が判断するのか。学校以外でも同じようにリスクがある。まったく家から出ないまま、ずっと続けられるかどうかは、やっぱり考えていかなければいけない。富山市の事例を冷静に分析して、参考にしたい」と話した。

次のニュースを読む >

関連