【コロナと学校】全国高校総体が初の中止に

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、8月に21府県での分散開催を予定していた全国高校総体(インターハイ)が中止されることが決まった。全国高等学校体育連盟(全国高体連)が4月26日、WEB会議で臨時理事会を開き、選手や関係者の安全確保が困難で、練習不足によるけがも危惧されるとして、1963年の第1回大会以降初めてとなる中止を決定した。春の選抜大会に続く全国大会の中止となり、大舞台で練習成果を発揮する機会を奪われた選手にとって酷な決断となった。スポーツ推薦で大学への進学や企業への就職を志す3年生の進路に影響を及ぼすことも懸念される。

今夏のインターハイはオリンピック・パラリンピック東京大会の影響で会場確保が難しく、当初の計画を変更して、東北から九州にかけて21府県で陸上、競泳、柔道、バスケットボールなど計30競技を分散開催する予定だった。大会中止に至った理由については、国内の新型コロナウイルス感染者数が1万人を超え、終息に時間がかかることや、休校で長期間、部活動もできない学校が多くを占める中、練習時間の確保が困難で、けがや事故が懸念されること、医療機関が新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、大会実施に伴う事故などに十分な対応ができないことを挙げた。

26日の臨時理事会後、ウェブ上で会見した全国高体連の岡田正治会長は「競技中だけでなく、移動や宿泊時の感染リスクも大きい」などと、中止を決めた理由を説明。「判断の向こうに目標を失った高校生の姿があることは痛いほど承知している。安心、安全、命を守ることを選んだ」と、苦渋の決断であることを強調した。

奈良隆専務理事は「6月から教育活動が再開しても、それに合わせて部活動が再開されるかは疑問。準備不足の状態で競技をすれば、事故やけがにつながる」と理解を求めた。

春の選抜大会に続く全国大会の中止で、選手にとって大舞台に挑む夢が断たれるとともに、スポーツ推薦での大学進学や就職にも影響が避けられそうにない。全国高体連は、地域によって感染状況が大きく異なることから、安全に部活動ができる状況になった場合、インターハイに代えて地域単位で3年生が実力を発揮する大会を開いてもらうことを都道府県の高体連に要望した。

また、今夏のインターハイ開催に際しては、21府県での分散開催としたことで運営資金不足が生じ、開催費用に充てるため、インターネット上のクラウドファンディングで「インターハイ特別基金」を設けて、選手の保護者や卒業生、一般市民、企業、団体などから協力金を募り、3月末時点で約7200万円が寄せられていたが、この使途については未定だとしている。

インターハイが中止されたことで、夏の全国高校野球選手権の開催も懸念される。甲子園につながる都道府県大会は6月20日に沖縄県から始まる予定で、夏の甲子園は8月10日に開幕予定。日本高等学校野球連盟は5月20日の大会運営委員会で開催の可否について協議する予定で、大会事務局は「高体連の決定に至るさまざまな検討内容を参考にさせていただきたい」としている。

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