【コロナと学校】全国高校総合文化祭はネット開催に

全国高等学校文化連盟(高文連)、文化庁などは5月12日、高知県で夏に予定されている第44回全国高等学校総合文化祭(総文祭)の通常開催を取りやめ、インターネット上に動画や作品の画像を配信する形式で実施すると発表した。全国各地から参加する高校生が毎年、約2万人に及ぶ国内最大規模の文化の祭典だが、新型コロナウイルス感染症の収束見通しが立たないため、開催県に集まって感染防止策を徹底させることは難しいと判断した。

総文祭は高文連、文化庁と開催県などが主催。1977年から毎年、全国の都道府県が持ち回りで開催しており、今夏は7月31日から8月6日まで高知県の9市町村を主会場に、演劇、合唱、吹奏楽、器楽・管弦楽、日本音楽、吟詠剣詩舞、郷土芸能、マーチングバンド・バトントワリング、美術・工芸、書道、写真、放送、囲碁、将棋、弁論、小倉百人一首かるた、新聞、文芸、自然科学の規定19部門と、開催県が決めた、まんが、ボランティア、特別支援学校、軽音楽の協賛4部門で、活動の成果を発表する予定だった。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が深刻な中、会場は人の密集が予想され、長距離移動や宿泊施設での感染リスクも高いことから、生徒の安全、健康を最優先に考慮し、通常開催を断念した。インターネットを活用した作品の発表や取り組みの紹介、演奏や実技の動画配信による開催に変更する。

時間をかけて準備を進めてきた高知県の高校生、関係者らの努力を無駄にせず、全国の高校生にも活動の発表の場を確保するため、インターネットを活用して開催できないか検討してほしいと、萩生田光一文科相が高文連や高知県の実行委などに要望したという。

萩生田文科相は12日の閣議後会見で、「生徒たちの発表の機会を確保し、これまでの活動成果を多くの人に見ていただき、記録に残せるようにしたい。限られた環境の中で送られてきた映像を専門家がしっかり見て、評価していただくこともできるのではないかと思う。ネット上で大いに力を発揮していただきたい。その延長で、ここでの結果や評価をAO入試などにも活用してもらえれば、3年生にとって、ありがたいのではないか。大学関係者にもしっかりお願いしていきたい」と、変則開催を後押しする姿勢を強調した。

インターネットを活用する開催としたため、会期も柔軟に見直す方針。開幕は8月6日に延期する方向で検討し、高知県の高校生が発表する予定だったオリジナルミュージカルを総合開会式に代えて県内で披露したいという。演劇や合唱などは動画を作成してのエントリーにするなど、総文祭の規定19部門と協賛4部門は全て、ネット上で発表できるように検討を進める。審査をどうするかなど、詳細はこれから詰める。

文化庁学校芸術教育室は「ネットでの開催であれば、1週間の会期にこだわる必要はない。年度内はネットで公開し続けるなど、柔軟に検討したい。一般の人も自由にアクセスできるような形で開催したい」としている。

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