【コロナと学校】修学旅行はどうなる? 協会に聞く

休校の長期化により、実施が危ぶまれているのが修学旅行。文科省は修学旅行を中止ではなく延期するよう求めているが、現実に可能なのか。修学旅行に関する調査研究などを行っている、日本修学旅行協会の高野満博事務局長に聞いた。


夏休みの時期に実施する方法も
――新型コロナウイルスによる休校が長引き、1学期の学校行事にも影響が出ています。現在、修学旅行の延期やキャンセルはどのくらい発生しているのでしょうか。

まず、行き先を海外にしていた学校では、現地での受け入れができなくなっている状況です。従って、国内に行き先を変更せざるを得ないでしょう。

国内の場合でも、1学期中に修学旅行を予定していた学校では、2月ごろから延期を検討するところが出始めました。

延期する場合、9~10月の秋ごろとするのがまず考えられますが、もともとこの時期に修学旅行を実施している地域があることや、紅葉などの旅行シーズンと重なることもあり、受け皿の確保に苦労しています。

それよりもさらに遅い時期に設定すると、特に中学校では3年生で修学旅行を実施するところが大半のため、高校入試に影響してしまう恐れもあります。

――延期となった場合、どういう方法が考えられるのでしょうか。

学校の要望を聞きながら、旅行会社もあらゆる知恵を絞っています。

例えば、オリンピック・パラリンピック東京大会が延期となった影響で、7月と8月はホテルや交通機関のキャンセルが多く発生していると考えられます。休校が長引いたことで、授業時数を確保するために夏休みを短くする学校もあると思いますが、行事予定をうまく調整できれば、本来は夏休みである時期に実施する方法もあると思います。あるいは、思い切って3月下旬の卒業式の前に行うということもあり得ます。

この他にも、同じ行き先での延期が難しければ、行き先を変えるのも解決策の一つですし、宿泊日数を減らして対応するという方法もあるかもしれません。

新しい修学旅行へのチャレンジ
――修学旅行が延期となれば、旅行業界への影響も大きいのでしょうか。

大変厳しいと言わざるを得ません。キャンセルにより売り上げがなくなれば、資金繰りが悪化するところも出てくると思います。修学旅行に関わる旅館やバス会社などでは、子供を預かることから、安全や衛生管理などの従業員教育を徹底しているのですが、このままでは、修学旅行のエキスパートでもある従業員の雇用が確保できなくなる恐れもあります。

そうした状況ではありますが、旅館やバス会社では、修学旅行の再開に向けて、消毒液や従業員のマスクの確保に努めています。今回の感染拡大を踏まえ、高機能の空気清浄機を導入したバス会社もあります。

感染が完全に終息するかどうかも見通せない以上、換気や消毒などの感染防止対策はこれまで以上に徹底しなければ、安心して修学旅行を実施できないと思います。

――新型コロナウイルスによって、学校の授業の在り方などが見直されています。修学旅行もそうなのではないでしょうか。

単なる旅行ではなく、いろいろな地域を訪れ、その地域の課題について考えたり、そこで暮らしている人たちの話を聞いたりしながら、主体的に学ぶプログラムを取り入れた修学旅行が近年増えています。新学習指導要領が全面実施となり、修学旅行はこれまで以上に注目されるようになると思います。

今回の新型コロナウイルスによって、修学旅行がこれまでにない困難に直面したことは確かです。しかし、だからと言って修学旅行がなくなるということではなく、むしろ、今までと違う新しいことにチャレンジしながら、進化するチャンスになると捉えています。

臨時休校が長期化し、学校が再開できたとしても、授業時間の確保や行事の実施でとても大変だと思います。修学旅行は教育効果も大きいですが、何よりも子供たちにとって大切な思い出になる行事です。旅行会社や観光協会はさまざまなアイデアや情報を持っているので、学校と協力しながら、一緒に修学旅行を実現する最善の方法を模索してほしいと思います。

次のニュースを読む >

関連
関連記事