【コロナ時代の教育】障害ある子の学び 支援サイト開設

「障害のある子供の学びが危機にひんしている」――。津田塾大学のインクルーシブ教育支援室はこのほど、「学びの危機プロジェクト」を始動した。

障害のある学生の支援や地域との連携を担ってきた同支援室は、同学の大学生・大学院生を中心とする11人のメンバーでプロジェクトを始動。5月1日にポータルサイトを開設した。同サイトは主に、小学校高学年~中学生で特別支援学校や支援学級に通う児童生徒、通級指導を受けている児童生徒を対象としている。

同支援室のディレクターである柴田邦臣准教授は「通常学級でも、さまざまな事情で学びづらい子供はいる。関心のある子供に幅広く見てほしい」と話す。

同サイトの特徴は、プロジェクトのメンバーが教科ごとに「ナビゲーター」となり、各教科を学ぶ楽しさや自宅での学習に適した教材を紹介している点。書き手の人となりが浮かび上がるような内容を意識しているという。

オンライン教材のリンクを紹介するにあたり、メンバーはさまざまな企業・団体が提供している教材を調査したが、障害のある子供にとっては使いにくいものが少なくなかったという。例えば視覚障害がある子供にとっては、読み上げ機能に対応していない教材は使いづらいし、聴覚障害がある場合には字幕がない、または不十分な動画は効果的な学びにつながらない。

科目によっても状況は異なった。英語では英検・TOEICなどの資格試験や、入試対策の教材に偏りがち。算数・数学では計算問題のプリントのような教材が多く、日常の疑問を解決するという教科の本質に迫るものは少ない。国語では体系的に学べるものが少ない上、書き取りの教材などでは家庭にプリンターがなければ使えないものもあり、「主体的に学習を進めるのは相当難しいのではないか」(プロジェクトメンバーの松崎良美助教)という状況だった。

こうした課題を踏まえ、ポータルサイトでは子供の主体的な学びを引き出せるような教材を紹介。社会のページでは、直近の社会問題である「エッセンシャル・ワーカー(社会の基盤を維持するための職に従事する人)」について考えるページを作成するなど工夫した。さらに、それぞれの教科を学ぶ楽しさについて考えるコーナーを設け、学びへのモチベーションを高められるようにした。

同プロジェクトでは今後も、子供の知的好奇心を喚起するコンテンツを拡充していくほか、オンラインとリアルでの学びの使い分けについての提案も行っていく。なお、最新情報はツイッターで発信していく予定。

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