【コロナと学校】分散登校や学校再開 各地の工夫

「3密」(密閉、密集、密接)を避けるための分散登校。5月14日の政府の専門家会議で一部地域を除く緊急事態宣言の解除が決まり、学校再開に向けた動きが進む中、各地の分散登校の工夫などを追った。

5月7日から県立学校の再開に踏み切った鳥取県では、鉄道による通学が多い学校は、時差登校を実施したり、特別支援学校の通学バスを増便したりするなどして、登下校の際の密集、密接のリスクを軽減。部活動も再開したが、練習は平日2時間のみ、土日は休養日とし、ラグビーや相撲などの接触が起こるプレーを禁止としたり、吹奏楽部の楽器演奏や合唱部の歌唱練習は、十分な距離を取って行ったりしている。

授業では、教室内で子供同士の間隔を半径1メートル以上確保できない場合は、教室を2つに分けるなどして対応。こうした授業の分割では、オンラインを活用する学校もあり、例えば、クラスを2つの集団に分けた場合に、一方の教室で教師が授業を行っている様子を動画配信し、別の教室にいるもう一方の集団が同時に授業を受けられるようにしたり、分散登校をする場合に、教員が授業動画をライブ配信し、自宅にいる子供がスマートフォンなどで見ることができるようにしたりしている。

また、感染リスクへの懸念から、登校しない場合でも欠席とせず、学校が家庭の学習状況を把握するようにする。
広島県では、5月18日から全ての県立学校を対象に「自主登校」を開始。各校で学年やクラスなどによって登校時間をずらすなどの分散登校とし、学校行事や部活動は実施しない。自主登校は授業日数にはカウントせず、登校しなくても欠席扱いにはならない。自主登校では、各学校で授業は行わないものの、教科指導をするケースも想定されている。

県教委の平川理恵教育長は教育新聞のインタビューに、自主登校は「自主的に参加する補習のような位置付け」と説明した上で、「『感染リスク』を考慮しつつ自主分散登校を認め、週に何度か登校できる選択肢を検討する必要がある。オンラインでは補いきれないものを、やはり、リアルな学校で対応していく必要がある」と答えており、すでに一部の学校で始まっているオンライン授業などの取り組みと合わせ、子供の学習機会の確保につなげたい考えだ。

5月14日の時点で当面の間、休校の方針としている福島県では、県内の一部の自治体で、分散登校や学校を再開する動きが出ている。

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故で、全児童生徒が避難先の地域から通っている飯舘村。今年4月に村内にあった小中学校を1つに統合し、義務教育学校として開校したばかりの村立いいたて希望の里学園(吉川武彦校長、児童生徒65人)は、県内でいち早く5月11日から再開した。同校は各学年1クラスで、クラスあたりの人数も3~13人と密集状態は回避できる環境にあることや、思い切って「再開」とした方が保護者や子供の負担と不安を解消できると考え、8日の村の対策本部会議で再開を決定。その日のうちに各家庭にメールで周知した。

現在、同校では、昼休みや放課後は子供が密集してしまう状況が避けられないとして、午前中の授業と給食のみを実施。マスクの着用を原則とし、活動ごとに換気や手洗いを教員がこまめに指示したり、校舎内やスクールバスの消毒を徹底したりしている。

児童生徒は全員が避難先の自治体からスクールバスで通学してくるため、再開にあたって村教委では通常よりも大型のスクールバスを運行することにし、児童生徒が隣り合わせで座らないように配慮。バスの中で1時間ほど過ごすケースもあることから、途中で停車して車内の換気も行うようにしている。

同校の吉川武彦校長は「子供たちは、勉強ができ、友達と会えた喜びを感じているようだ。それを守るためにも、教職員で感染防止に気を付けなければならない。決して、学校をとにかく早く始めればいいというものではない」と話す。

次のニュースを読む >

関連