【コロナと学校】レベル別に活動判断 マニュアル通知へ

緊急事態宣言の対象地域の見直しに向け、文科省は5月20日、教育関係者と感染症専門家らが出席する懇談会の第2回会合をWEB会議で開き、新型コロナウイルス感染症と共に暮らしていく、新しい生活様式を学校に適用するための指針について協議した。同省によると、協議では、感染症専門家から、感染状況に関する都道府県ごとの地域区分をそのまま休校や分散登校など学校運営の判断基準とするのではなく、「学校単位で実質評価をするべきだ」との意見が出された。同省は、協議内容を踏まえ、感染状況の地域区分を3つのレベルに分けて学校運営上のガイドラインを示し、教科指導や部活動についても具体的に例示したマニュアルを作成し、5月22日に通知する。

懇談会の協議内容を説明する平山直子・文科省初等中等教育局健康教育・食育課長

懇談会は、中教審委員などの教育関係者と政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に参加する感染症専門家らで構成され、科学的な根拠を踏まえた学校活動の指針作りについて協議した。専門家会議からは、岡部信彦・川崎市健康安全研究所長、吉田正樹・東京慈恵会医科大学感染症制御科教授、和田耕治・国際医療福祉大学国際医療協力部長が出席した。

終了後、協議内容を説明した平山直子・文科省初等中等教育局健康教育・食育課長によると、懇談会では、感染の地域区分を巡る議論が活発に行われた。政府の対策本部が緊急事態宣言の対象地域を都道府県単位に判断しているのに対し、感染症専門家から「学校は生活圏で捉えたほうがいい」「学校単位で実質評価をするべきだ」といった意見が出され、都道府県単位の感染状況によって休校や分散登校などの学校運営方針を決めるべきではないとの考えが大勢を占めたという。

文科省では、こうした専門家の見解を踏まえ、都道府県単位で示されている地域区分をそのまま学校に当てはめるのではなく、感染状況に応じた3つのレベルに区分して学校運営のマニュアルを示す方針。

専門家会議は5月15日に出した提言で、感染地域を特定警戒都道府県、感染拡大注意都道府県、感染観察都道府県の3つに区分している。先に緊急事態宣言が解除された39県は感染観察都道府県とされている。

こうした3つの区分を念頭に、文科省の示すマニュアルでも感染状況をレベル1からレベル3まで3段階に分け、それぞれの段階に応じて学校運営上の工夫や、教科指導、部活動のガイドラインを示す。

教室内の児童生徒同士の距離については、これまで目安として1~2mとされていたが、感染レベルに応じてさらに具体的に明示する。最も感染レベルが低いレベル1の場合、通常の40人学級での授業再開が可能になる見通し。先に緊急事態宣言が解除された39県だけでなく、自治体や学校が置かれた生活圏内で感染者が見つかっていない場合は、40人学級での授業再開に道筋が付くことになる。

また、学校運営上の工夫を示した5月1日付通知で、感染リスクが高いとされる「3密」(密閉、密集、密接)を回避するため、授業内容が制限された音楽や体育などの教科や、部活動についても、レベル別に指針が示される見通し。

平山課長は「これまで多数の通知が出ていて、学校現場から『どれを読めばいいのか分からない』との声が聞こえてくる。自治体が感染レベルを判断すれば、あとは学校現場がその感染レベルに従って、これだけ読めば大丈夫というマニュアルを作成したい」と話した。

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