【9月入学】首相、一転慎重 「拙速避ける」

政府の緊急事態宣言が全ての都道府県で解除されたことを受け、安倍晋三首相は5月25日、首相官邸で記者会見を開き、休校長期化に伴って子供たちに学びを保障する方策として浮上した9月入学への移行について、「慎重に検討していきたい。拙速は避けなければならない」と述べた。安倍首相は前回の記者会見で9月入学への移行に意欲的な姿勢を見せていたが、与党や自民党内部の慎重論などを受けて、発言をトーンダウンさせた。

記者団から9月入学への移行について、現時点での気持ちを問われた安倍首相はまず、「学校休業が長期化する中、子供たちの学びを保障していくことは、極めて重要な課題」だとして、GIGAスクール構想の大幅な前倒しによる1人1台端末の整備と、分散登校や衛生管理など感染リスクを低減しながら教育活動を継続するマニュアルの提示など、「あらゆる手段を尽くして子供たちの学びの保障に取り組んでいる」と強調した。

続けて、9月入学への移行について、「私自身は有力な選択肢の一つと考えてはいる。しかし、与党においても自民党においてもいろいろな議論があり、極めて慎重な議論もある」と説明。自民党の小林史明青年局長ら中堅と若手の議員が5月22日に、慎重な検討を求める提言を行うなど、与党内にも慎重論が出ている現状に触れ、「学校の再開状況や、子供たちと保護者はもとより、社会全体への影響を見極めつつ、慎重に検討していきたいと思う。拙速は避けなければならないと考えている」と答えた。

安倍首相は5月14日の記者会見で、9月入学への移行について「有力な選択肢の一つだろう」と指摘した上で、「しっかりと深く議論していきたい」と、踏み込んだ発言を行っていた。それに比べ、今回の発言は慎重な姿勢へと転じた。

9月入学への移行を巡り、政府は関係府省で検証を進めており、6月上旬をめどに実施する場合の論点や課題を整理する方針。文科省は5月19日、関係府省の次官級協議に、来年秋からの導入を想定して、新小学1年生の対象範囲の区切り方について2つの案を提示している。

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