幼稚園と高校の特別支援教育が課題に 有識者会議が議論

特別支援教育の中長期的課題を検討している文科省の「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」はこのほど、第7回会合をWEB会議で開催し、幼児教育と高校教育の各段階における「障害のある子供の学びの場の在り方」をテーマに議論した。

特別支援教育への対応や教員の障害への理解が進んでいる小中学校と異なり、幼稚園や高校では、子供の障害特性を理解した上で、適切な学習環境や居場所を提供する体制が遅れている。

幼稚園では、個別の指導計画や個別の教育支援計画の作成を必要とする子供は増加傾向にあり、発達障害の可能性がある子供を早期に把握し、家庭や福祉機関などと連携して、小学校への移行につなげていく重要性が指摘されている。

しかし、国立特別支援教育総合研究所の久保山茂樹上席総括研究員がこの日の会合で行った報告では、幼稚園が適切に子供の障害を把握せず、障害のある子供が途中で退園せざるを得なくなり、そうした子供たちの新たな受け入れ先となった幼稚園では、支援の必要な子供がかなりの割合を占めているなど、支援が必要な子供が偏在している可能性を指摘。

久保山上席総括研究員は、幼稚園教育要領にのっとり、多様な子供が安心して過ごせる環境や関わり方の重要性を強調した。

一方の高校では、2018年度に通級による指導が制度化され、入試などで障害のある生徒に配慮を行っている学校も増えるなど、特別支援教育への理解は少しずつ広まっているものの、特別支援学校の高等部と比べると、障害のある生徒の就職や就労の支援体制は不十分な状況がある。

会合では、神奈川県の県立高校における特別支援教育の事例が報告された。神奈川県では現在、県立高校4校で通級指導を導入し、生徒のニーズに応じた支援体制の構築や自己肯定感の育成につなげている。また、県立高校14校をインクルーシブ教育実践推進校に指定し、知的障害がある生徒の入試での特別募集を実施したり、就職や進学などの進路保障を充実させたりしている。

神奈川県では将来的に、全ての県立高校が多様な教育的ニーズに対応できるような教育課程の見直しを行い、多様な生徒が学べる「インクルーシブな学校づくり」を推進する方針だとしている。

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