【9月入学】文科相も慎重姿勢 「直ちに結論付けない」

緊急事態宣言が解除され、各地で学校再開が進む見通しとなる中、萩生田光一文科相は5月26日の閣議後会見で、政府が検討している9月入学への移行について、「残された時間で、最終学年の子供たちがしっかり授業ができ、学校行事もある程度消化ができるのであれば、直ちに結論付けるということはない」と述べ、学校再開によって学びの保障ができれば、9月入学の議論を急ぐ必要はないとの見解を明らかにした。

9月入学について質問に答える萩生田光一文科相

9月入学を巡っては、安倍首相が5月25日の記者会見で「拙速は避けなければならない」と述べ、発言をトーンダウンさせている。萩生田文科相も首相の慎重姿勢に歩調を合わせた格好だ。

9月入学を巡る議論の見通しについて、萩生田文科相は「まずは子供たちの学びの保障が、今後の学校再開のスケジュールの中できちんとできるかどうか。各自治体と連携しながら、しっかり確認していくのが大前提になる」として、当面は学校再開後の状況を見ながら、学びの保障ができているかどうか見極める考えを示した。

続けて「残された時間の中で、最終学年の子供たちがしっかり授業ができ、私が心配しているさまざまな学校行事もある程度きちんと消化ができるのであれば、直ちに(9月入学を)結論付けるということではない」と述べ、学びの保障ができていれば、9月入学の結論は急ぐ必要はないとの認識を示した。

同時に、新型コロナウイルスの感染拡大の第2波などで再び長期休校となり、「本当に子供たちの学びの保障ができないということになれば、大胆な決断をすることも選択肢に入れておかなくてはならない」と述べ、第2波に備えて9月入学などの検討も続ける考えを示した。

記者団から「文科省内部には9月入学への移行に慎重な意見が多いのではないか」と問われ、萩生田文科相は「卒業時期や入学時期をずらすのが難しいことは、現場を知っている職員ならば、誰もが知っている。職員たちは私の前でもちゃんと意見を言っている。ただ、他省庁や社会全体に与える影響があるので、文科省として議論のスクリーニングをしてみようということで、今、冷静に話し合いをしている」と状況を説明。「私が職員の声を聞かずに旗を振って、『なにがなんでも9月入学に移行するんだ』とは、公の場でも非公式の場でも一度も言ったことはない。職員たちの声を聞きながらしっかり態勢を整えていきたい」と述べた。

議論の経緯については「もともと『大臣が決断すれば、簡単にできる』と言った人たちがいた。しかし調べてみると、30本以上の法改正が必要だった。就職を考えると経済界や中小企業とも話し合わなければならない。途中から賛成と反対の人たちがいろいろヒートアップして、違う議論に変わってしまっているような気がしている」と話した。

その上で「文科省がなぜ9月入学を検討対象に入れておくかと言えば、やはり子供たちの学びの保障がかかっているから。授業の時間を積み上げて履修を完了することも大事だが、修学旅行、運動会、文化祭など、いろいろなことを失っていくことが、本当に子供たちの学びを保障したことになるか。このことを深く考えている」と検討状況を説明した。

さらに、修学旅行の見送りを検討する自治体の動きに触れ、「まだ、いま調整中」としながらも、「卒業式の後、3月31日までの間に実施することで、修学旅行を保障してあげたいと思っている。それが可能かも含めて、文科省内で話をしている」と検討状況を明かし、文科省の対応に理解を求めた。

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