【コロナ時代の教育】オンラインで模擬授業 討論も

オンラインの授業展覧会「これからのみんなの授業展」(同展実行委主催)が5月23日、開催された。教員をはじめとする教育関係者、行政関係者、教育系YouTuberらがWEB上で一堂に会し、模擬授業や討論を繰り広げた。児童生徒や保護者も多数参加し、ZoomとYouTubeのライブ配信の総参観数は5000に上ったという。

Zoomの「バーチャル背景」を使った岩本教諭の授業

模擬授業には8人の現役教員らが登場し、それぞれがZoomを使って双方向型の授業を行った。その中で東京都新宿区立富久小学校の図画工作専科・岩本紅葉教諭は、新型コロナウイルスで外出が制限されている現状を踏まえ、行ってみたい世界や気に入った世界の写真をZoomの「バーチャル背景」に設定。カメラに映る自分があたかもその場所にいるかのように見立てて、背景に合う衣装や小道具を制作する授業を行った。

参加者の中には、海外の夜景を背景に、お姫様のようなアクセサリーを紙で作る女の子や、大仏の画像で顔の部分をくり抜き、自分の顔が映るように見せた男の子も。

岩本教諭は「先生に『見て』と自分から言いづらい子もいる。教室であれば児童の様子が分かるが、オンラインではチャット機能などをうまく使っていきたい」と話した。また、正面の画像だけでは児童に伝わりづらい場合を想定し、手元を映すためのカメラを別に用意するといった工夫も紹介した。

また、今年1月にスマホデビューしたばかりという、神奈川県立川崎北高等学校の社会科・洞口智保教諭も双方向型・録画型の両方の模擬授業を行った。Zoomで行った双方向型の授業ではパワーポイントは使わず、スケッチブックに書いた手書きの文字を示しながら世界における疫病の歴史を語り、「必ず人類の英知が新型コロナウイルスに打ち勝つ日が来る」と力を込めた。

岩本教諭の手元カメラ

洞口教諭は「オンラインでは生徒の反応が分かりづらい。教室では、生徒が眠そうにしていれば話し方を変えるなどの対応ができるのだが……」と、オンライン授業ならではの苦労も明かしつつ、「アナログな部分を意識的に残している。手書きの文字は、パワーポイントより力があると信じている」と話し、参加者からは「オンライン授業だからこそ、手書きの文字が生きる」との感想が上がった。

トークセッションでは、つくば市立みどりの学園義務教育学校の毛利靖校長が登壇し、教育系YouTuberの葉一(はいち)氏や数学教師芸人のタカタ先生と「with コロナの教育の最適解」を議論。

毛利校長は「学校でも家でも、シームレスに学習できるような形態が必要だ」と指摘し、「使えそうな場面で(オンラインを)うまく使えたら、大きな動きになると思う」と話した。

“板書派”を自認するタカタ先生は「自分がパワーポイントでプレゼンしながら授業をすることは、以前は考えられなかったが、やってみると意外とできる。自分の中で引き出しの一つになっている」と応じた。

手書きの文字を使い、視聴者に問いかける洞口教諭

別のトークセッションで登壇した経産省の浅野大介サービス政策課長兼教育産業室長も「これから子供たちが出ていくのは、臨機応変にオンラインとオフラインを使い分けていく社会。学校がオンラインを敬遠しない強い意志が必要」と強調した。

同イベントが開催されるのは5月上旬に次いで2回目。第3弾は6月28日に予定しており、文科省の鹿野利春教科調査官が登壇予定。

主催者の一人で教育ナビゲーターの鈴木健太郎氏は「オンライン授業に限定することなく、時期に応じてベストな授業を届けていきたい」と意気込む。

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