無観客で8月末までに終了を 高野連が独自大会に指針

日本高等学校野球連盟(日本高野連)は5月27日、夏の全国高校野球選手権大会中止を受けて、都道府県の高野連が検討している独自の大会の運営指針として、実施要項と、新型コロナウイルス感染予防対策を盛り込んだガイドラインを発表した。大会は公式戦と位置付け、原則的に無観客で行い、8月末までに終えるとした。無観客試合だと地方大会の運営費に充てていた入場料収入が見込めないため、総額1億9000万円の資金援助も行う。ただ、福岡県高野連が独自の大会を開催しないと決めるなど、対策を講じても感染リスクがなお高いと憂慮する地域もある。

実施要項では、都道府県独自の大会は緊急事態宣言が解除されていることを前提に開催するとした。大会名をどうするか、ベンチに入る選手を何人にするか、大会は1回戦のみで終えるか、トーナメント方式で優勝を争うか、特例的に7イニング制とするか、時間制限を設けるかなどは、都道府県の高野連がそれぞれに決める。ただし、投手への1週間に500球までの球数制限は全国的に導入するとした。大会は都道府県の高野連が主催し、全国高校野球選手権主催者の日本高野連と朝日新聞社が後援して、総額1億9千万円の財政支援をするとした。

ガイドラインでは、「密集」「密接」「密閉」の「3密」を徹底的に避けることや、選手や関係者が検温を行うことを挙げた。感染者が出た場合の対応をあらかじめ衛生部局と検討し、大会関係者全員に試合の2週間前からの行動歴を記録するよう求めた。試合は無観客を基本とし、控え部員や選手の保護者のスタンド観戦を認めるかどうかは、都道府県の高野連が判断する。観戦する場合は人と人の間隔を2メートル以上空け、大声は出さずに拍手で応援するとした。参加校の選手は起床後に検温し、試合中に選手がマウンドに集まる場合はグラブを口にあてるなど工夫する。素手でのハイタッチも控えるとした。

試合会場の入り口や選手のベンチには消毒液を置き、入場者全員が検温し、運営スタッフはマスクを着用する。同じ試合会場で2試合以上行う場合は、試合ごとにダッグアウト内を清掃、消毒するなど、徹底した感染防止対策を求めている。

戦後初めて春夏連続で甲子園大会が中止されたため、選手の心情に配慮して、独自の大会を検討する都道府県が多い中、福岡県高野連が5月25日に県独自の大会は開かないと発表するなど、地域によって温度差がある。福岡県高野連は独自の大会を断念した理由として、▽対策を講じても大会開催による感染リスクが残る▽練習不足で選手らの熱中症やけがが多くなると予測される▽学業の遅れを取り戻すため土曜授業や夏休みの短縮があれば、試合のための休みが認められるか課題が残る――ことを挙げる。

萩生田光一文科相は5月26日の閣議後会見で「高校生の皆さんに、この3年間の証となるものを、しっかり残してあげることが必要。文科省として、できる応援はしたい」と、都道府県での独自の大会を支援する姿勢を改めて示した上で、「地方大会の開催については、さまざまな地域事情がある。福岡県高野連もいろいろ悩んだ上での結論だと思うが、何とかしてあげられなかったかという思いは残る」と、開催する地域としない地域が出ることでの球児への影響を懸念した。

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