共通テスト「2週間~1カ月後ろ倒し」 自民WTが提言

自民党秋季入学制度検討ワーキングチーム(WT)が6月1日に採択した提言では、現在学校に在学する子供たちの「学びの保障」と、9月入学の導入問題を切り離して考えるよう求めた。受験生の不安に対応するため、大学入学共通テストを含めた大学入試の日程について、「2週間から1カ月程度、後ろ倒すことを検討すべきである」と文科省に要請。また、小中高の学年について、今年度は特例措置として「2週間から1カ月間など一定の期間延長」を認めるよう求めた。

提言の内容を説明する柴山昌彦・自民党ワーキングチーム座長(前文科相)

提言では、冒頭、長期休校によって生じた子供たちの「学びの保障」について、「一刻の猶予も許されない喫緊の課題であり、秋季入学制度(9月入学)の導入と同じ時間軸で考えることは困難」として、最優先で取り組むべき課題と位置付けた。

具体的な対応策として、小中学校では、臨時休校期間中は「家庭学習の円滑な実施と学校との関係維持」、段階的学校再開期では「分散登校の積極的な活用と自宅での家庭学習の組み合わせ」、本格的学校再開期では「教育活動の重点化や、長期休業期間や土曜日の活用」を、それぞれ重要なポイントとして挙げた。そのために、GIGAスクール構想を踏まえた「学校でも家庭でもオンライン学習できる端末・通信などの環境整備」、学校の授業を協働学習などに重点化する「学習活動の重点化」、「分散登校の実施」や「きめ細かい指導」が必要として、国に対して教員、学習指導員、スクール・サポート・スタッフなどの人員体制や予算の確保を求めた。

その上で、文科省に対し、今年度の学校年度を変更し、学習期間を延長する特例措置を認めるよう求めた。休校長期化の結果、地域によっては「今年度中の学びの回復は難しい」と指摘した上で、学校設置者の判断で今年度の学校年度(学年)を「2週間から1カ月間など一定の期間延長する特例措置」の検討を求めた。例えば、小学5年生や中学2年生の学校年度を13カ月として編成し、休校分の遅れを取り戻す措置を想定している。この場合には、翌年度の学校年度のスタート時期が遅れることになるが、夏季休業の活用などで例年通り3月までに学校年度の終了が可能としている。

この特例措置について、柴山昌彦WT座長(前文科相)は「文科省は現行制度の枠組みの中で対応しようとするので、その枠組みを超えた制度変更の提案は政治の役割になる。各自治体の学校設置者に、学びの保障を図るための選択肢を増やしていくことが目的だ」と説明した。大学などに対しては、高校と接続する1年生のスタート時期を遅らせることを検討すべきだと提案。大学の卒業時期は、就職事情などに考慮して現行の3月を維持することが望ましいとの立場をとった。

また、提言では、入試に対する不安への対応として、大学入学共通テストを含めた大学入試の日程について、高校3年生の学びの進捗(しんちょく)状況や浪人生の思いなどを踏まえ、「2週間から1カ月程度後ろ倒すことを検討すべきである」と明記した。文科省では、6月中に策定する大学入学者選抜実施要項で受験生に対する配慮を盛り込むことを検討しており、自民党WTの提言では具体的な後ろ倒しの期間を提案したかたちだ。

このほか、提言では、大学、高校、中学校の入試についても、▽出題範囲の限定▽問題を選んで回答する選択問題の導入▽感染状況に応じた実施時期の繰り下げ–などについて、試験実施者に配慮を要請するよう文科省に求めた。大学の総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)については、インターハイなど多くのイベントが中止になっている現状から、志願者の努力のプロセスを評価するなど丁寧な選抜を実施するよう促した。

また、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波を想定し、追試験の実施や複数回受験を認めるなど感染者の受験機会を確保するための柔軟な対応を求めた。

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