授業を協働学習に重点化 学校再開後の学びの保障で方針

全国的な学校再開を受けて、文科省は6月5日、限られた授業時数の中で、協働学習など学校でしかできない学習活動に重点化して指導を行う方針を盛り込んだ「新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の『学びの保障』総合対策パッケージ」を取りまとめた。同省は教科書会社からの協力を得て、教科書で扱っている内容のうち、個人で取り組める学習活動などを分類した参考資料も提供。家庭や授業以外の補習などで、これらの学習を行えるようにする。

文科省が示した授業時数の確保のイメージ

総合対策パッケージは、長期間にわたり新型コロナウイルスと共存していかなければならない「Withコロナ」の社会状況を踏まえ、学校で感染症対策と子供たちの健やかな学びの保障の両立を実現することを基本方針に掲げた。

学校再開後の教育活動の展開や、臨時休校となった場合のICTを活用した学習の提供などについて、GIGAスクール構想の前倒しや教員加配などの施策も含めて整理。同省として、効果的な学習保障のための学習指導の考え方を明確にするとともに、学びの保障に必要な人的・物的支援を実施するとした。

長期間の休校による学習の遅れを取り戻すため、学校再開後の授業では、協働学習などの学校でしかできない活動に重点化し、限られた授業時数の中で効果的な指導を実施。一方で、例えば「社会科で調べたことを基に、自分の考えをレポートにまとめる」「算数の問題演習に取り組む」といった個人でもできる学習については、家庭や放課後の学習指導員による補習などで行えるようにする方針を示した。

同省では教科書会社と連携し、各教科書の内容について「学校の授業以外の場で行うことが考えられる教材・学習活動」と「感染症対策の観点から指導順序を変更することが考えられる教材」を示した参考資料を作成。新型コロナウイルスによる休校に伴い開設された「子供の学び応援サイト」から、教科書協会のリンク集にアクセスできるようにした。

6月5日の時点では小学6年生と中学3年生について、教科書会社別に参考資料が一覧化されており、他の学年についても順次公表を急ぐ。文科省によると、小6と中3の教科書の内容のうち、授業時数の20%程度が「授業以外の場で行うことができる教材・学習活動」に分類されているという。

総合対策パッケージの中で示された中3の教育課程を例にしたモデルでは、この「学習活動の重点化」により、年間で200日程度必要な授業日数のうち、20日程度を捻出。さらに夏休みの短縮や土曜午前授業の実施などによって、35日程度を確保することで、休校分の授業日数は補えるとした。

6月5日の閣議後会見で萩生田光一文科相は「(授業以外の場で行うことができる教材・学習活動は)『学ばなくていいのだ』という誤解がないようにしたい。あくまで家庭で見てくださいということではなく、学校教育の一環として、ちゃんと何らかの形で学校が引き取って、学びがしっかり定着しているかの確認はさせてもらう」とくぎを刺した。

また、文科省ではこれまでの学校再開ガイドラインや臨時休校ガイドライン、4月21日付の通知「新型コロナウイルス感染症対策のために小学校、中学校、高等学校等において臨時休業を行う場合の学習の保障等について」、5月1日付の通知「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について」を、新たに「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」に統合。新型コロナウイルスの影響の長期化を見据え、感染リスクをできる限り低減しつつ、学校運営を継続していく指針として整理した。

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