カリキュラム・マネジメントの有効性示す 国研が報告書

新学習指導要領で、学校の教育目標に基づいて教育課程を編成、評価し、改善を図るカリキュラム・マネジメントの考え方が重視されているのを受け、国立教育政策研究所は6月9日、研究開発学校を対象に調査した「学校における教育課程編成の実証的研究」の第1次報告書をホームページで公表した。

教育課題に対応するため、学習指導要領によらない教育課程が認められている研究開発学校では、研究開発の設定を通じて育成を目指す資質・能力が明確になり、学校全体で組織的・計画的に教育活動を展開するなど、カリキュラム・マネジメントが有効に機能していることが示された。

同調査では、昨年度に研究開発学校の指定を受けた学校に質問紙を送付し、回答を得られた幼稚園から高校までの31校について分析。その結果、研究開発学校では、思考力や創造性、学びに向かう力、人間性などで、育成を目指すべき資質・能力が具体的に設定されており、それに基づいて校内の組織体制の整備や教育活動が展開される傾向にあることが分かった。

多くの学校では、カリキュラム・マネジメントの3つの側面である▽教科等横断的な取り組み▽PDCAサイクルの実施▽地域資源の活用――が積極的に行われ、育成を目指す資質・能力を学校全体で共有するプロセスが重視されていた。このことから、研究開発を進める上でのカリキュラム・マネジメントの取り組みが、学校の多様な教育活動や教員同士をつなぐ機能を果たしていることが示された。

一方、複数の学校からは課題として、カリキュラムをどのように評価するかが挙げられた。これを踏まえ、報告書では1年間の実践の中で複数回、PDCAを実施する形成的評価の可能性に着目し、教員の負担を増やさずに形成的評価を実施できる体制づくりがポイントになると指摘した。

報告書ではこの他に、10校の研究開発学校におけるカリキュラム・マネジメントの取り組み事例を通じて、カリキュラム・マネジメントの充実に向けた有効な取り組みも整理している。

国研では今後、これらの調査で明らかとなった成果や課題の具体的な検討を行い、最終報告書を取りまとめる方針。

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